2018-03-02

京大化学入試問題についての雑感

既に予備校とかが指摘しまくってるので新しい情報とかはないか

今年の問題がクソだなと思ったので、自分ヤバいと感じた順に書く

Ⅰ(a)

廃問が出た、氷の結晶格子を示してアレコレ答えさせる問題

廃問はこの結晶格子の酸素原子炭素に置き換えたら何になるか、というもの

正解は「六方晶ダイヤモンド(ロンズデーライト)」のはず。(間違ってたら指摘ください)

この物質教科書には記述がなく、知識で答えさせるには極めて不適切なので削除は妥当なのだけど

問題そもそも何故こんな問いが入試当日まで残ったのかってこと。

一つは、担当者高校教科書を読んでおらず

不適切認識しないまま出題した可能

もう一つは、普通の「ダイヤモンド」が正解と思い込んで出題した可能

前者だとこないだ入試ミス発覚したばっかりなのに脇が甘すぎるし、

後者なら専門家じゃないのかなって心配になる

で、個人的には後者なのではないかと思っている。

氷の結晶中で酸素原子は正四面体の頂点の向きに他の酸素原子と結合しており(sp3混成)

これはダイヤモンド中の炭素原子と似ているのだけど、

ダイヤモンドは全部がいす型配座なのに対してロンズデーライト舟形構造が混ざっている。

これを「正四面体型でつながってるからダイヤモンドだ」と回答した受験生多かったと思う。

でも出題者やチェックが受験生レベルでは困るでしょ。

しっかりしてください

入試マニアの同僚の先生は「東大過去に同じテーマちゃんと出してるのになぁ」って言ってた。

もう一つの廃問は氷の結晶中の水分子のH-O-Hの結合角を考えさせる問題

酸素原子の共有電子対と非共有電子対では電子雲の大きさが違うため(非共有のほうが大きい)

共有電子対が追いやられて結合角が小さくなる」

までは教科書範囲京大受験生なら全員知ってるだろう。

これが結晶中で変化すると書いてある。

結晶中では水素結合によって非共有電子対が小さくなり、結合角は正四面体に近づく」までは

予想できていいとは思うけど、その効果がどこまで効くのかが問題からはまったく読み取れない。

もし「O-H…Oが直線に並んでいる」みたいな記述があれば109.5°を選べるが、

文中には水素位置に対する言及がない。

104.5°と120°は外せるとしても、106.5°と109.5°から決められない。

やっぱり高校範囲ちゃん理解しないまま出してるように感じる。

教科書に載ってない知識を問うなら、誘導思考のヒントに関してはきちんと精査すべきで

作りが荒いなぁと感じる。

そもそもこの問題、氷の結晶の図がとても見にくい。

自作にしてももっとわかりやすいのを持ってきてくれ。

それこそ教科書を見習ってくれ。

長くなったのでとりあえずここまで。仕事行ってくる。

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