自営。
ある程度稼げてきたので、思い切って引っ越した。
都内の一等地。
引っ越して1週間。
重箱の隅をつつくようだけど、よく見るとそこかしこに前の住人の汚れが残っているのに気づく。
エアコンのリモコンのボタンの隙間だったり、浴室の壁と浴槽の隙間だったり。
他にも些細なことだけど、ふと気づけば前の住人の汚れが残ってるのに気づき苛つく日々。
新築ではないが、築年数は十年には満たない。そこまで古い物件ではないし、なによりこの賃料なんだからハウスクリーニングももう少しちゃんとしようよって思ってしまう。
エアコンのリモコンも浴槽の隙間の水垢も自分で掃除したら綺麗になった。落ちない汚れではなかったらしい。
だったらますますハウスクリーニングは手を抜かずにきちんとやれよと思ってしまう。
そんな話を知人にしたら、そのくらい我慢しろよ、神経質すぎ、だったらもう新築マンション買えば?というようなことを言われる。
納得がいかない。
大学の頃は風呂なしのボロアパートに住んで、特に不満もなかった。
社会人になりたての頃だって築年数が相当いった狭いワンルームでも特に文句も言わず自分でいろいろ工夫して使ってた。
その後もう少しマシなところに住むようになっても、ハウスクリーニングの不備なんて特に気にした記憶はない。
結局は、金額なんだ。
こんなに払っているのに、このサービスか!っていう。
吉野家で牛丼食ったら美味い。テーブルが汚れていようが気にしない。そういうサービスを求める場所じゃないから。牛丼が美味くて満腹になれば問題ない。
でも、一食何万もするようなコースディナーを食べにいって、テーブルが汚れていたら不快に思うし、文句も言う。
本当のお金持ちの人たちはもっと広い心で何事も笑顔で許せるのかな。
こんなに払ってるのに!っていう不満。
昔は国や行政に対する不満なんて何も感じなかった。
払ってるお金持ちの人たちはもっともっと払ってるだろけど、自分にとってはとんでもない金額だ。
そんなに払ってこれか。
そして、世の中、自営には厳しい。
昔、大手企業に勤めていたときは、社名を出しただけで、ローンの審査も賃貸審査も「あぁ、これならきっと大丈夫ですよ」と担当者はニコニコと言った。
今は様々な書類を提出させられ、審査は通るかどうかわかりません、もう少し頭金が、連帯保証人が…と渋い顔をして言われる。
不満はつのる。
お金は人を歪ませる。
俺も歪んだ。
ニートの一員として感謝します