2017-06-28

飼い犬の脱走癖

小学二年の時に近所から雑種のメス犬を貰い受けた。

僕はこの犬から色んな事を学んだ。

ある日彼女寝床に血痕を発見し、母にひょっとすると酷い怪我をしている可能性があると訴えたが、大丈夫だよとの根拠の無い回答にイラついたが、犬はなるほどそういう物なのかも知れないと諦め、世の中には自分の知らない事が結構有りそうだという予感がしたのだった。

我が家には雑草の生い茂る4坪ほどの空き地があった為、この四方を鉄柵で囲って彼女自由活動できるようにしていた。

小学三年の頃になると、餌をやりに鉄柵を開けると一目散に彼方へ逃げて行き、朝まで戻ってこないという事案が頻発するようになった。

帰ってきた彼女を父が叱責し、体中から悲しみのオーラを出し服従ポーズを取る彼女の姿が忘れられない。

しか彼女は脱走をやめなかった。時には鉄柵の下に穴を掘って抜け出していた。

ある日母から彼女赤ちゃんを産むことになったと知らされた。なるほど犬はそういうものなのかも知れないと思ったが、家族の話を聞いてると、どうも夜な夜な脱走している事と関係があるらしい

とにかく子犬が早く産まれて欲しかったので、細かいことはどうでも良かった

冬の寒い時期に無事出産したが、5匹産まれて、1匹はすぐに死んでしまった。

残った4匹は皆それぞれ個性があり、雑種面白いと思った。

目のまだ開かない彼らに小指を差し出すとちゅうちゅう吸ってきて可愛かった。

地方紙通信広告欄で里親募集、4匹とも引き取られていった。

ウインドウズ95が発売される数年前の事である

やかんやを繰り返し、小学5年の頃に彼女は2回目の出産で4匹の玉のような愛らしい仔犬を産み3匹は引きとられ、1匹は貰い手がつかず、育てる事となった。

この二世は毛の模様が母親そっくりのメス犬で、2匹は楽しく暮らしたが、

体の大きさが同じくらいに成長した頃、母親は車に轢かれて死んでしまった。

二世性格母親によく似て、夜遊びに繰り出すようになった。

中学2年のある朝も彼女は居らず、今日もどこぞの馬の骨に抱かれに行ったかと思いながら歩いて登校していると、道端からぴょこっと現れて、どこまでも付いて来たので、最悪な気分で家へ連れて帰ったということもあった

じきに生涯一度だけとなる出産経験し、やはり4匹がこの世に生を受けた。

体格がよく、毛並みのいい3匹は里親に引き取られて行ったが、大人しいハイエナみたいな毛並みのメス犬が残った

三世として伝統を受け継ぐはずであったが、二世と一緒にハイキングに出かけ、翌朝二世けが帰宅し、その後三世が戻ることは無かった。

その一年後くらいに街でハイエナみたいな痩せ細った野良犬を見かけて動悸がしたが、中学三年の俺は多分気のせいと考えた

二世は何やかんやと長生きし、俺が大学に入って下宿を始めてからは疎遠になっていたが、就職して二年目の春に13歳で死んだ

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