ネットでの書籍データのコピー問題でついに国会が動きだしたという。漫画・小説ユーザーも苦言を呈するほど、確かに規制の厳しさには鬱陶しく感じるかもしれないが、この件は別の課題もあると思う。それは日本の法律の時代錯誤性である。
アメリカなどのネット業界にとって日本の著作権法の壁の高さが邪魔なのは、そもそもネット上でのコピー行為に対する規制がきつすぎること。外国では広告料や利用税の設定で対応しているというが、オタクの大多数としては違う意味で迷惑と言うところがあるんじゃないか。
これは、1980年代から1990年代に観光列車が日本各地で広まった頃に、その観光列車の本数の多さや運賃の高さが固定利用者数の減少、バスなどに客が流れることにより渋滞の原因になるなどして迷惑だと非難され最終的には衰退した時と同じパターンを感じる。だがそれを排除してしまうことは、企業努力での公共市場の持続という目標と矛盾する。
周知のように出版バブルやアニメバブルなどはあったにしてもそれらの市場は失速しているし、印税主体の著作ビジネスも先の騒動や流通ルールの変化でおそらく今まで通りのビジネスが成り立たなくなってたぶん沈静化する。ほっておけば著作者目線での法律の改悪を呑み込むことになるだろうね。
今の法律に必要なことは法律の近代化である。つまり、現代の社会状況を踏まえた上での法律に作り変えなきゃいけない。今の日本を見ていると、それが顕在化しすぎて不便極まりない。