「うつ病の人は死にたい死にたいと言いながら生き続けてるから甘え」
「うつ病の人は死にたい死にたいと言いながら生き続けてるから放っておいて大丈夫」
気持ちは分からなくもないがこちらもファッション病人ではないので、うつ病の人間が死にたくなる過程と何故死なないのかを説明する
1つは「直前にヘマや何かをやらかしたケース」
ヘマをやらかす
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(どんなにちょっとしたヘマでも)自分がダメ人間だからこんなひどいミスをしたんだ
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自分は生きている価値のない、社会にとって不利益しか生まない、生きているだけで害を生む人間なんだ
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厄介なのは病気のせいなのか、一度悪い考えが生まれると全く良い方向には動かないし、結局死ぬことだけを一日中考え続ける羽目になる
ここから脱するのに人からの優しい言葉や行動以上に効果のあるものはない
もう1つは「何も原因がないケース」
寝起きに起こりやすい人、夕方に起こりやすい人…。起こりやすい時間は人それぞれ分かれるような気がしている
これに関しては本当に何もない
突然死にたい気持ちが頭を支配し、死ぬことしか考えられなくなる
死にたいと略してはいるが私の場合全て「自分は無価値で、生きているだけで皆が迷惑するから死にたい」である
責任を取って切腹したい、責任を取って辞職したい、みたいな感じだろうか(適切な例えかは知らない)
しかもうつ病の死にたい気持ちは、空腹感や眠気と同じくらい強烈である
空腹感のひどくて「お腹の空いた」と言っている人に「気合で何とかしろ!」
眠気のひどくて「寝たい」と言っている人に「気合で何とかしろ!」
とか言ったところでお腹は空いているし、眠たいし、同じようにうつ病の死にたさも気合いでは何とかならないし、誤魔化そうにも誤魔化せないのである
では本題の、何故死なないのか?という所である
という問いにイエスと答えられる人はなかなかいないと思っている
軽い気持ちでではなく遺書をきちんと残し、明日からは自分のいない世界が始まるんだということを考えての自殺である
経験したことがある方なら分かると思うが、自殺をするのは筆舌に尽くし難いほど怖い
私は首吊り自殺と飛び降り自殺を考え、実行したりしなかったりしたがあの時の恐怖は思い出しただけでも嫌な気持ちになる
死に対する漠然としたとてつもなく大きな恐怖は、動物が生存するにあたって備え付けている一部の機能のような物であるのだと思う
そもそも死ぬのが全く怖くないように人間の心がなっていたら、人間はとっくに絶滅しているのではないだろうか
縄を目にした時からとにかく怖くて怖くて仕方がなかった
「これで楽になれる」という気持ちより「死が怖い」という気持ちが何倍も上回り、首に縄をかけるだけで何分も費やした
結局首を吊ってから数分、苦しみと死の混ざり合って私は自殺を断念した
それ以来、私は縄に首をかけることすらしなくなった
それくらいに死は怖い
なのでどうか「死にたい」と言ってばかりの死なない人を笑わないでほしい
ただ自殺をやり遂げた方々が皆、あの強大な恐怖を上回るほどの死にたい気持ちを抱えざるを得ないほどの、考えられないほどの心労を抱えていただけなのだ