まもなく2016年シーズンが開幕するF1ですが、日本で放送していたフジテレビが、今年は無料放送をしないことが明らかになりました。
中嶋悟が参戦した1987年から地上波で中継をはじめてからずっとテレビで観戦してきました。
放送時間が深夜、しかも月曜の未明ということが多いので、録画して観ることも多かったのですが、毎年楽しみにしてきましたから、とても残念です。
最近は視聴率が低くて地上波からBSに移動しましたが、それでも気軽にF1の世界を観ることができたのです。
それが今年はかないません。
個人的にはCSに入って視聴することになりますが、おそらく、私と同じように無料放送で視聴してきた人のかなりの人は観るのを止めてしまうでしょう。
視聴率の低下は日本だけでなく世界的に問題視されています。複雑化したルール、いつもどこか一強の展開…
アジア地域のテレビ放映権はFOX TVが2023年まで獲得しているそうです。フジテレビはそのうち日本のCS放送分だけを買ったのでしょう。視聴率が低いのに放映権料が高騰しているコンテンツに大金を投じるのは難しいです。かつての勢いがない今のフジテレビなら尚更です。
しかし、無料放送が無くなることで、日本のF1ファンは確実に激減します。月に2回くらいのレースを観るために毎月1,700円ほどの契約をするのはコアなファンだけです。
ライトなファンは離れてしまいます。結果だけならネットで知ることができます。でも、そのうち、ネットの情報にすら興味を失うでしょう。
F1には今も多くの日本企業がスポンサーだけでなく、いろいろな場面で参加しています。
そうした企業が国内に向けてF1での活動を報告しても興味を持たれなくなってしまいます。場合によっては、株主から金のかかるF1から手を引くように言われるかもしれません。
テレビ離れと言われていますが、いまだにテレビの影響力はとても大きいです。テレビで無料で観られないスポーツはマイナースポーツです。そんなマイナースポーツに参戦する日本人ドライバーが現れても、スポンサードする企業はないでしょう。なにしろ、ドライバーになるだけで数十億円の資金が必要なのですから。
私は、今回のフジテレビの対応には企業経営の面から理解できる点はあるものの、自らブームを作り出す立場にありながらそれすら放棄して日本のモータースポーツの大きな後退のキッカケを作り出してしまう可能性があるフジテレビの判断には大きな疑問を感じています。
モータースポーツを盛り上げるキッカケを作ったフジテレビがモータースポーツの後退のキッカケも作るのです。
もちろん、F1自身が改善しなければならない問題はたくさんあります。しかし、それは極めて政治的というか、一握りの人達の中での話です。
かつて、オリンピック、サッカーW杯と並んで世界三大スポーツと呼ばれたF1は、日本で再びマイナースポーツに転落します。フジテレビには、自ら再びF1ブームを作るくらいの意気込みをお願いしたいと思います。
フジにそんな体力あるわけないじゃん テレビ局に期待しないで自分がブログとかでブームにするくらいの気概がほしい