大抵の時間は自分の通う学部特有のクソグループワークでうんざりさせられていた。
ある晩には転籍要項を覗いてみると既に焼却済みである前期の通知票が必要だと発覚した。一睡も出来ず、朝一に事務室に相談に行って理由を話すと成績表の写しをくれた。
驚くのは、名前も学籍番号も職員に話していないのに、自分の名前が入った書類をくれたのだ。
どこに転籍しようとするかというのは微塵も決まっていない。
午前中、2回くらいしか出席していない源氏物語の授業のオンラインテストをやりながら、自分が京都のクソにしかイケなかった理由を悟った。
末摘花はいつ読んでも不憫だ。
大型書店に行ったが、微塵も読みたい本がない。
家では生協で買った本が山積みだし、英語の勉強も微塵も進んでいないので、本当は文字なんか理解する知能も気力も殆どない。
ただ容姿が悪くてセックスが出来ず、己の精神優位性を保つために意地でも文字を読もうとしているのだ。
なんとか読む気力が出そうな文庫の本棚の前にたっても、なにも思わない。
美少女の表紙の本を手にとったらルッキズムを助長する気がするし、権力側の人間や能力がある人間の話は腹が立ってくるので読む気にならない。
読める本がない。
そう思って立っていると、ひどい癖毛の女が歩いているのが見えた。
女はおしゃれはしているが酷い髪のせいで醜い
しかし、それまたくせ毛な男を連れていた。
最初は酷く驚いたが、母親らしき人間が登場してきたので、兄妹なのだろう。
自分も同じような酷いくせ毛であることから、万が一金のチカラで女の子宮に精子をぶち込むことが出来ても、あんなにも惨めな子供が生まれる可能性が大なのだ。
そして、本やマンガの表紙を見ると、描かれている人間は皆ストレートヘアーである。
皆、醜いのは嫌いなのだ。
高校生の時に勉強がやる気が出なかった大きな理由に、容姿が醜いというのとやっても出来ないというのがあった。
志願先の学部を決めなければ。
悪いとこばかり見ると悪い方向に向かうので 良い所探して良い方向に行くように努めると良いとおもいましたまる そしてお前がせくろすできないのは 人を見下して精神安定図ろうとす...
なにが「まる」だよ。正論で人を殴れるのがそんな気持ちいいか?
殴らないように注意して、少し離れて独り言の体をとってコメントをしたのですよ でも殴られたと感じるくらいの衝撃があったのですね。ごめんなさい
古風な短篇私小説。話としては、悪くない。 あらすじ 大学生の「自分」は文学部からの転部を考えている。 事務室に行くと、特に証明も求められないまま、 「自分の名前が入った書...