2015-12-13

http://anond.hatelabo.jp/20151213002258

古風な短篇私小説。話としては、悪くない。

あらすじ

大学生の「自分」は文学部からの転部を考えている。

事務室に行くと、特に証明も求められないまま、

自分名前が入った書類」を手渡される。

しかし、転部先は「微塵も決まっていない」し、

書店でも「微塵も読みたい本がない」ことに気づく。

自身容姿コンプレックスから

源氏物語の末摘花に親しみを感じているが、

店内で現実の「醜い女を見て苦しく」なる。

「志願先の学部を決めなければ」と思いながら、

本屋から出てバスに乗るのであった。

解説

劣等感」という主題が興味ある変奏によって描かれる。

まず事務室の件で、特徴的な人間であることがわかる。

その特徴とは容姿であるが、そのために周囲との折合いは悪く、

劣等感を抱く原因にもなっている。

末摘花への共感は、現実の醜い女との対比になっており、

空想で得られた共感も、現実では醜さでしかないことを示す。

「読みたい本」と「志望先の学部」の符合関係は、

そんな「自分」の先行きの不透明さを明らかにしている。

センスはあるので、引き続き努力するように。

記事への反応 -
  • 今日は久しぶりに三条の大型書店に行った。 12月に入ってから、昨日まではあまりにも忙しかった。 大抵の時間は自分の通う学部特有のクソグループワークでうんざりさせられていた。 ...

    • 古風な短篇私小説。話としては、悪くない。 あらすじ 大学生の「自分」は文学部からの転部を考えている。 事務室に行くと、特に証明も求められないまま、 「自分の名前が入った書...

    • 悪いとこばかり見ると悪い方向に向かうので 良い所探して良い方向に行くように努めると良いとおもいましたまる そしてお前がせくろすできないのは 人を見下して精神安定図ろうとす...

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