なんとなく調べて書いてみたけどブログも持ってないのでここに投下。
日本ユニセフは募金額のうち約20%を活動費に回しているが、これは結果論だと言う理解が大事、という話。
ユニセフはその窓口機関(日本ユニセフはユニセフの公式な窓口機関である http://www.unicef.org/tokyo/jp/15408.html )に活動費を全募金額の25%に納めることを要求している。これは募金額の25%を好きに使っていいということではなくて、30億円活動費に使ったら120億円の募金成果を出さなきゃいけないってことだ。
ユニセフの目的は「お金を集めて慈善事業に使う」ことだが、支出に対して必死に収益を上げなきゃいけないという仕組みは営利企業と同じものになっている。その方が不正も少なく、より寄付が集められるからだ。
窓口機関は活動費をかければかけるほどその4倍という寄付を集めねばならず、活動費を私的流用するような余裕は少ない。仮に私的流用をしたい悪い窓口機関があった場合、その分ユニセフに渡る分の寄付金も集めることになり、結果的にユニセフに集まる寄付が増える。
また何度も言うが募金額の25%を自由に使っていいということではないので、募金額に対する活動費の割合はその都度変化する。
2014年度の日本ユニセフは30億円の活動費で170億円募金を集めたから、20%以下の活動費割合になっている。ユニセフの要求より効率的に募金を集めていることになる。
仮に170億円の寄付に加えて130億円(合計300億円)の寄付があった場合、130億の20%がさらに日本ユニセフの活動費になるわけじゃなくて、30億/300億=10%の活動費割合に抑えられるということである。
因果を間違えてはいけない。日本ユニセフの現在の活動費割合が「20%」というのは、募金額がそこそこ(日本ユニセフがノルマをクリアできる程度に)集まったということを示すだけの結果論にすぎない。
要するに、日本ユニセフに寄付したら必ず20%をピンハネされるというのは一ミリも正しいところのない完全なデマ(正確には最低25%〜限りなく0に近い割合まで、活動費の割合は募金の額に従って変化する。活動費をピンハネなどという穿ち方をすればだが)。そもそも疑問に思うこと自体が会計の基本のキもわかってない頓珍漢な疑惑であることがわかる。
ちなみに日本ユニセフの拠出率(募金額のうちユニセフに渡る割合)は世界トップレベルらしいですよ。
http://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_report.html (監査付きの収支報告)
これはつまり日本ユニセフの頑張りに対して標準以上に日本人が寄付をしているということを意味する事実なので、日本人なら誇りに思うべきことかな。(かと言って、だから活動費なんかもっとかけずに同じ額が集まるはずだなんて言うのはナイーブ過ぎるがね。)
(転載自由)
アグネスがいる限り信じるかな