某巨大実名SNSで、友人がこのサイトのリンクをシェアしていた。はてブでも執筆時点で656のブクマが付いている。
「精神病を"会話"で診断するなんてもう古い!」 83,000個の脳をスキャンしてわかった、精神病の正体 | ログミー[o_O]
最初の見出しは、”「トラウマ」で脳は実際に損傷する”となっている。
確かに、凄く辛い時って頭も痛くなるしな。
と思いたくもなる。
原文の"Traumatic Brain Injury"とは、専ら心理学的な意味で使われる日本語の「トラウマ」とは異なり、「物理的な脳の外傷」を指す。(Wikipedia参照)
英語ではボクシングなど「物理的な脳損傷」の話をしているのに、この訳は何故か「心理的なストレス」の話になってしまっているのである。
以降も、原文を機械翻訳にかけたあと適当に意訳した所為か、全く異なる文脈となってしまったトンデモ訳のワゴンセールである。
残念ながらこのクソ記事を公開した記者の名前は記載されていないが、それよりもこんな記事を無批判に信用してしまう人が多いであろうことが気がかりである。
「外国の偉い人がこう言っていた」と日本語で書くだけで、それを信じる人が沢山出てくる。
かといって、こういう記事に全て査読を付けるわけにも行かないし、デマがある程度広がるのは容認というか仕方ないと思うべきなんだろうか。
せめて、自分の周りだけでも、誤解は解いておこうと思った。
けど、友人のシェアに直接コメントすることは友人の顔を潰すことにもなるので、今回はメッセージで「それトンデモ記事だよ」と伝えることにした。
間違っていることをドヤ顔で流布することほど恥ずかしいことは無いと思う。
2chでは、「それマジで言ったん?ソースあんならすぐ出せ マジなら2ちゃんねら総力を上げて潰すが」というコピペに代表されるように、ソースが重要視される文化がある。
このソースを確認する意識は、非常に重要なことである。2ちゃんねらは一般人よりも科学的な物の見方をするように意識付けされている。
Wikipediaでは[要出典]のマークが過剰であるとしばしば揶揄されるが、出典のない記事などデマと同レベルの情報価値しかないし、[要出典]とされたままで、情報の出所が十分でないことがWikipediaのソースとしての信頼度が低い理由ともなっている。
一般人に「それソースどこなん?」なんて聞こうものなら、「話の種なのに…」とかで空気読めない扱いをされかねない。
間違った知識を得てしまうことに抵抗を感じないのだろうか。などと考えてしまう。
だからといって頑張って啓蒙しようとは考えず、「まーたこいつらソースも見ずに信じてるわw」とか心のなかで思いながら過ごしている。