普通のサラリーマンみたいに、毎日自然と顔を合わす人が、いない。
客商売だから、何するにも評判とかイメージに繋がってしまうから、下手なことが出来ない。
いっそ有名人だったら、向こうから人が集まってくるのかもしれない。
どこへ行っても、私のことをどこかで見かけたことがある程度の人・・と出逢ってしまう。
私は、お一人様は平気だ。
とか、思われるのが怖くて、出られない。
知り合いが来そうなイベントに1人でいって、
「あそこの社長、ぼっち」みたいなイメージ持たれたら・・と思うと、怖くて行けない。
そこで、いっそネットで知り合ったような、全然接点がない人と友達になる。
それはそれで楽しいけれど、点と点って感じのまま、
自分のネットワークは広がらないから、「ぼっち感」は消えないまま。
所属欲求が満たされない。
家庭以外にもそれぞれのコミュニティを持っていて、
そこでよろしくやっている感じ。
元々、人を遊びやらに誘うのが苦手だけど、
20代の頃は周りのみんなも遊びやら仲間やらに飢えていて、
しょっちゅう飲み会やらキャンプやらに誘われて、自然と友達になれた。
色々考える必要もなく、
初めての異業種交流会にぽんと飛び込んで仲良くなれた。
自分でも色々企画した。
そういう不慣れなイベントを「一緒にやろう!」とノッて来てくれる仲間がいた。
「50人規模のクリスマスパーティを開催する」みたいな、
社会の薬にも毒にもならないような、意識だけは高いイベントを企画して、
仲間同士でのいざこざがあったり、
頼んだ仕事をやってくれないとか、
それが30代も近づくと、
そんなことしてても経費で赤字のリスクがあるだけで儲かるわけでもないし、
苦労した割には感謝されないし、
そういうイベントごとにももう飽きが来て、
純粋に「みんなで集う楽しさ」みたいなものが感じられなくなっていった。
おんなじ労力かけるなら、仕事にかけた方が、見返りもある。
ただの仲間が増えても何にもならない。
それより仕事に繋がる人脈をつくろう。
そういう打算が勝って行ったように思う。
それで、仕事の繋がりばっかりが増えていって、
お客さん=友達みたいな数年を過ごして30代半ばになった。
だけど、それはそれで、言えないことや気苦労が多くて疲れる。
すると今度は、また、ただの友達がほしくなった。
けれど、ふと周りを見回しても、思い当たる人がいない。
20代の頃あんなにたくさんいた、
「知人以上友達未満」の人たちは、いったいどこに行ったんだろう?
いや、実際は、
彼らはどこにも行ってなくて、
今も変わらずどこかの飲み会にいたり、家庭に入って子育てしたりしてるんだろう。
その繋がりが切れてしまっているだけで、消えたわけじゃない。
でも、私の目から見れば、消えたも同然だ。
気軽に、飲みとか遊びに誘える友達がいない。
新しくつくろうにも、そこにはお互い何らかの目的がある場合が多くて、
そういうのを抜きにした「ただの友達」を作ることの難しさ。
意識して作ってこなかったことがいけなかったんだろうか。