幸せテンションが高まって脳内のどこかに変なスイッチが入ってしまった人っていうのは、端から見ると本当に迷惑だということを心のどこかに置いておいて欲しい。
会社の飲み会で悦に入り、後輩に対して自分がこの立場に至るまでの苦労や成功体験を一方的にまくし立てている状況は、週末に近づくにつれ色んな飲み屋で見受けられる。
俺だって同じような状態に陥った経験はある。頭の中で大勢の人に自分の成功ヒストリーを語っている様子を想像し、誰一人拒絶すること無く受け入れられている妄想を浮かべる。そして更に幸せテンションに拍車がかかる。
ゆくゆくは有名人になって、笑っていいとも、スタジオパークあたりにゲストで呼ばれ「やめてくださいよタモさーん」的なノリで努力や苦労エピソードを語り、それがYouTubeに流れて2chに単独スレッドが立ち、まとめサイトで「〇◯正論すぎwwww」的な流れがつくところまで想像する。
あるいは「俺が成功した7つの理由」みたいな箇条書きの文章を格言めいた一文を添えてネットに書き連ね、時間が空く度にネットでその文章を何度も反芻し、その文章の見事さにうっとりし恍惚な表情を浮かべる。
人は長い間多幸感に包まれた状態にいると客観的に周りを見渡せなくなり、他人から自分が否定的に捉えられる可能性が見えなくなる。その結果他人に対して過剰な振る舞いをしでかしてしまう。
気をつけないとセルフコントロールの効かない幼稚な人間という評価を下されてしまうし、それまで出来ていた努力や向上心が無くなって傲慢に振る舞い、周囲に賞賛を強要してイエスマンしか受け付けられなくなり、徐々に周りから人が居なくなる。
更には他人から直接否定された時の衝撃が必要以上に響き、下手すればトラウマになるレベルのダメージを負ってしまい、立ち直りが長引く。そして事ある毎に失敗に対する恐怖心に襲われ、ひたすら自らの保身に走る。
夢がかなったり、実現が困難なことを達成したり、人から感謝・賞賛されて充実感が一杯な時、脳内からドーパミンやらアドレナリンやらが出ているのか一種の陶酔状態になり普段とは違う振る舞いをしてしまう。
まあ緊張状態からは開放されるし、努力に対する報酬としてある程度はこういう状態になるのも生きる上では必要なのだろう。
しかし、過剰なレベルまでいくと自らに対する客観的な視点が欠けてしまい、周囲から欠陥のある人格として捉えられてしまうので注意が必要。
そうならない為には、自分よりもレベルの高い人間を色んなメディアを通して見聞きして、目標・憧れの存在として肯定的に意識しておき、自らに常に謙虚さを忘れないことだ。