2011-01-26

先日、5年ほど付き合った彼女と別れることになった。

原因は些細なすれ違いから始まったことだったが、

振り返ってみれば、ぼくの心の中に彼女がいた痕跡なんてほとんどないような、

まるで映画でも見ていたような感覚しかない。


今まで付き合った女性彼女を含めて3人だが、全て同じような終わり方になった。

結果としての愛情不足、結論としての不一致。

あなたが見ていたのは、結局私じゃなかった……」

最初彼女に振られた時は、まさかこんなドラマたいセリフを言う奴がいて、

実際に聞かされることになるとは……。

と少し耳を疑うくらいだったが、次第に彼女たちが言っていた意味を理解するようになってきた。


始まりは中学の頃だった。

小学校からずっと一緒だった女の子を好きになった。

もともとかなり奥手だったのもあってか、結局かろうじて告白しい告白したのは、

高校生活も終盤に差し掛かってからだ。

これも今にして思えばだが、四六時中と言っていいほど一緒にいて、

お互いの家でテスト勉強したり、時々二人で映画に行ったり、

ぼくたちはもうそんな、なんとなくな中で、お互いを想いあっていたのかもしれない。とすら思う。

結局その後は大学受験で離ればなれになった。


入学式からしばらくは記憶にない。それくらいショックがあった。

それでも一応真面目に単位を取り続け、半年くらいし合コンに誘われた。

それが最初彼女

次の彼女浮気相手というかセフレに近かった。

結果的に彼氏がいる女性を寝取ってしまった訳だが、いざ付き合うと凄く冷めた気持ちになった。

それでも会おうだのデートに行こうだのとうざかったので、次第に避けるようになった。

その後、出会い系サイト人妻と寝たりもして、

背徳感が自分性癖だと知って少し吐き気した時期もあったけど、

将来的なリスク結婚まで考えて見切りをつけ、付き合うことになったのがつい先の彼女だった。

多分相手もそうだったのだと思う。

とても尽くしてくれる女性だった。

仕事愚痴を言ったりしても嫌な顔をせず、いつもぼくが帰宅するまで一緒にご飯を待っていてくれたり、

ぼく自身も凄く惹かれていったのが、よくわかった。

もともと教育熱心だった親の期待に応えられず、次第に希薄な関係になっていったぼくにとっては、

俗にいう母のような女性と言えたのかもしれない。

だけど、それでもぼくの心は満たされなかった。

どれだけ言葉を交わし、幾度身体を重ね、愛を紡いだつもりでいたけど、

それは合わないもともと合わないパズルピースのようだった。

愛情が重かったわけではない。価値観はぼくが生きてきた中で出会ったどんな女性よりも近かった。

そう、ただ違ったのだ。

いつだったか彼女は泣きながら言った。

「たくさんメールをして、お喋りとかもしてきたけど、あなたのことが何もわからない」

多少は感情的になっていた部分もあるとは思う。何も……という訳ではなさそうだけど。

そんな場違いな分析を頭の中ではしながら聞いていたのだけはよく覚えている。

今日会社をサボった。

サボってツタヤから借りてきた映画を見ていた。

そしてふと昔知人に借りた懐かしいタイトルをおもむろに取り、

今しがた見終わったところだ。


秒速5センチメートル


多分、二度と見ないだろう。

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