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はてなキーワード: 初刷とは

2021-01-19

anond:20210119085338

本気で初版初刷ない びびる 講談社さんがひさびさに、数間違えたやつ。しかも予約で吹っ飛ぶってみんなわかって予約した結果

さらマッハで予約が吹き飛んだため、初版初刷をふやせなかった。という逸話つき。あれはびびった。

2016-12-18

本の世界お話

最近続刊が出せないとか初動とかの話あんじゃん?

せっかくだから去年精神壊されて出版業界ドロップアウトした私が現状教えてやんよ

漫画普通に雑誌に連載しててその時点で超話題とかじゃない限り、普通に考えたら1巻は1万冊刷れるかどうかだ。

【全国 書店数】 で検索すれば出てくるけど、いま全国で書店は13000店くらいあるわけで、正直1万冊刷っても入らない店は山ほどある。

【今月の漫画】 で検索すれば今月の漫画の冊数だいたい分かるけど、720冊以上出てるわけ。

720冊ってことは、毎日24冊? 新刊台のサイズ考えたら、出た次の日には棚に移ることも多いレベルなワケ。

ジャンル毎とかで置き場所変わるが、まあそれでも1週間見えるところにあったら上出来も上出来。

てことは、最初の1週間で買ってもらえないと日の当たらない場所に行くわけだ。

んでもって最初の1週間の冊数を見ると、統計的に1か月後とか半年後の冊数が計算できちゃうわけ。

重版ってのがある。

最初に刷った数じゃ足りないから追加で刷ることだ。要するに売れてるってことだな。

…たまにそれを逆手にとって初刷りをわざと少なくして即重版商法をする会社もあるから一概に言えないけどな。

この辺は会社ルール違うけど、まあ、初週で6~7割売れたら重版だろうな。

逆に言えばそれくらい売れないと重版はそうそうかからねえ。

まり、一週間で6000部だ。6000部は途方もない数だぞ?

まして月に720冊以上出てる世界だ。そこから飛び抜けなくちゃならねえ。

初動で6~7割売れてる本は、書店だって馬鹿じゃない。ちゃんと売れてるって分かる。

から追加の発注をするし、長い間店頭に目立つように置いておく。

だが普通に3冊しか入らなかった本が1週間で1冊しか売れなかったら即座に棚行きだ。場合よっちゃ返品もあり得る。

初週で売れないってことは、書店を味方にできないってことだ。


さっき統計の話をしたが、統計的に見ると1巻を買った人間が2巻を買う確率継続率は7割くらいだ。

1巻の半年に2巻が出たとするだろ?

その時7000部売れてたとする。半年で7000部なら、順調に売れ続けても10000部で足りなくなるのはあと半年以上はかかる。

じゃあ2巻は何部刷る? 5000部だ。7000部の7割だから上に丸めて5000部。

ここに問題がある。5000部だと、全部売れても赤字になりかねない。

会社の信用のために2巻を出すか、利益のために出さな判断をするか、そういう境目だ。

よほどのことがない限り、1巻が売れなきゃ2巻がめちゃくちゃ売れることもない。

雑誌でめちゃくちゃ盛り上がってれば違うが、だったら1巻が7000部ってことはないだろ。

1巻が初動で売れないとこういう悲劇になる。いや、悲劇じゃない。

単にその漫画がつまらなかっただけだ。目にとまらなかっただけだ。話題性がなかっただけだ。

本当か? そんなことないだろ? 売れてないけどおもしろい本は山ほどあるだろ?

だが生き残れなきゃ、生存戦争に勝てなきゃ意味がねえ。全くもって意味がねえ。

から、初動で買ってくれと言うのは正しい戦略さ。どんどん言うしかない。


電子書籍がある。最近はようやく浸透して売れ始めたらしい。

紙が売れなくても電子が売れれば続刊を出せという声もよく聞いたよ。

だがな、思ったほど売れてねえぞ、電子は。5万部売れる本で5000部も売れねえ。

1万部の本なんて、500部とかの世界だ。まだまだちっちゃい世界から、頼れるのはまだ先だろうな。


印税の話をしよう。

紙の本の印税

刷った冊数×値段×印税

電子書籍印税

売れた冊数×値段×印税

紙の本は刷った冊数で計算すっから印税は圧倒的に紙の本の方が多い。

その分刷るコスト在庫管理コスト、その他のコストも紙は圧倒的に多い。

紙の本はハイリスクハイリターンなわけだ。

電子は逆のローリスクローリターン。


そして電子の売り上げでは、紙の本を印刷するだけの費用は稼げない。

これが、電子が売れても紙の本で続刊を出せない理由だ。単純だろ?


電子で売れていれば電子だけで続刊を出せばいい。なるほど、慧眼だ。

ただ、作家に入るお金お小遣い程度になっちまう

さっきの1巻7000部売れた本でシミュレートしてみるか?

1巻が紙で7000、電子が運良く700売れたとしよう。

2巻は紙で5000刷って、実際売れるのは良くて4000くらいだろうな。売ってる店が減るから、買えない人間も出てくる。

電子継続率は7割くらいだ。となると、電子が売れるのは500か?

そして3巻だ。4000部の7割。2800部。当然そんな冊数じゃ本は作れない。刷った瞬間大赤字だ。

どうする?電子だけで出すか? なら電子を出すための原稿料はどこから出る?

もし電子を出して4000+500の7割、3000部売れると思うか? 売れねえよ。

電子だけになったら、おそらく1500部がいいところだ。それでも売れすぎかもしれねえ。

紙で出せないってことは、世間から見れば打ち切りだ。打ち切られた作品をわざわざ買うか?

しかも作者に入る印税は紙よりはるかに少ない。それでもいいなら交渉余地はあるかもな?

そんなことだったら、新しいのを始めて次の1巻を出すことを考えた方が建設的だ。いや打ち切り作家明日は無いか

てなわけで結局、紙の本が初動で売れないと、続刊なんて夢のまた夢。頑張っても3巻打ち切りだぜ。って話。

毎月700冊の勝負に勝って、読者に金を使わせないと駄目な世界ネットでは金を払わなくてもエンタメごろごろ転がってる時代

お前らもガチャ回してる金があったら、もうちょっと本を買ってやれよな。

一応言っとくが、数字は全部デタラメだ。だがロジックは同じだから安心してくれ。

 
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