2024-03-03

AI絵師への疑問

概要

AI絵師はなんでそんなに特権意識強いのよ?

というかじゃあ君らはChatGPTとか使わないということでいいの?

うるせえ反AI絵師検索エンジン使うな(過激派

本文:

前提として,反AI絵師は「自分著作物を生成AI学習には使うな」という主張をしているように見受けられて,それ自体別にいいんだけども他の著作物に対して目端が効いていないように思える,という認識がある.

そもそも人間が生成した全ての創作物には著作権が生じるもので,この観点からは絵も音楽文章も等しく尊重されてしかるべき.

なんだけども反AI絵師は絵だけを過剰に特権化しているように思える.

この文脈での「反AI」のAIは,ほぼ「生成AI」とイコールという認識なんだが,となると文書生成に対しても反対しなければ筋が通らない.

なのだけれども,ChatGPTに代表されるテキスト生成やGithub Copilot代表されるソースコード生成(提案)に対しては何も言っていない.

Whataboutismじゃねえか,と言われるかもしれないが,生成AI代表であるChatGPTにおいてテキスト生成部分と画像生成であるDALL-Eが並列にメニュー上に存在している以上,そこを完全に別物だと主張するのは無理がある,と考える.

というかChatGPTに「こういう画像を作りたいのでDALL-Eに渡すプロンプト生成してくれ」って指示も可能だしな.

というわけで,この文脈で「反AI」と言った場合画像生成とテキスト生成の両方に対して反対の立場に立っている,立っているべきである,というのがここまでの話.

で,生成AIは何もないところから生成できるわけではなく,学習するデータ必要になる.

AI絵師はそこで「自分画像を使うな」という主張をしていると理解している.

別にそう主張しても構わないとは思う.

思うんだが,じゃあテキスト生成もソースコード生成も,さらに突き詰めると検索エンジンも使うなよ,というのがここからの話.

テキスト生成も画像生成と同様に学習するテキスト必要になる.

で,そのテキストをどこから持ってきているのかいえば,インターネット上に存在する文書となる.

そして(大抵の場合において)インターネット上に存在するテキストには作成時点で著作権が発生してて,それを勝手学習してテキスト生成に使っている,というのが現状の生成AIテキスト生成を行う場合の振る舞いとなる.

上記の文における「テキスト」を「画像」に置き換えたものに対して反対の立場を取っているのが反AI絵師,という理解なんだが,であれば当然テキスト生成に対しても反対すべきだろう,と思う.

思うんだが,本当にその辺は反AI絵師はどうでもよいらしく,ChatGPTとそれに付随するDALL-Eも特段の問題としていないように思える.

一貫性観点からは,著作物に対して同意を得ていない学習に基づく生成全てに対して反対の立場を取るべきでだろうと思えるのに,反AI絵師画像生成以外を問題とせず,よく分からない特権を振りかざしているように思える.

絵を描く人間から画像生成以外に対しては放置する,という主張なのかもしれないが,生成AIの生成対象が拡大している現状,その主張は「彼らが最初共産主義者攻撃したとき」と変わらんのではないのか.

そもそもGoogle検索最初バージョンPageRankベースだったわけだが,これは「多くのWebサイトからリンクされているページは価値が高い」という尺度に従って構築されている.

この評価尺度って,人間脳みそフリーライドしてるよな?

あるページにリンクを張る,つまりリンク先のページに価値があるのかを評価するのは,リンクを張った人間であり,つまりその価値を生成しているのは人間なわけだ.

そして人間が生成した価値をもとにリンク先のページの評価を決める,というのはつまり複数他人脳みそのいいとこどりをしているに他ならない.

生成AIに反対するのが「自分が描いた絵にフリーライドして価値のある絵を生成しているのは許されない」という主張であるのならば,他人脳みそフリーライドしてページに価値を付けている検索エンジンも同様に許されないものであるべきだ.

これは「生成AIの反対するならば検索エンジンも使うな」という主張の根拠になる.

別に本気で言ってるわけではないんだが,反AI絵師がどこまで考えて主張してるんだろうか,という疑問はずっとある

上記議論問題点は以下の通り:

1. 反AI絵師の主張を丁寧に拾ったわけではない雑な話なので「藁人形論法」と言われたらそうかもしれん

2. 「反AI絵師」の「AI」が指し示す対象が「生成AI」ではないかもしれん

ただし著作権適用対象公平性観点から画像生成AI」に限定した議論特別視できる理由はない

個人的には画像周りへの対応は,検索エンジン避けみたく「画像生成の学習に用いられることに同意しません」みたいなタグを埋め込む形での対応になりそうな気がしてる.

そしてそのタグが普及せずになし崩し的に画像についても生成AI一般化するんじゃねえかなあ.

あと,「現状,PageRankそのままでは使われなくなってねえか?」という主張は妥当なんだが,だからといって何もかもが変化したわけではない.

結局人間脳みそフリーライドするのが一番効率いいのには変わりないしな.

Github Copilotは優秀だけど,だからといってあれがpilotになるわけではない(正解「案」を提示するのと正解を提示するのとの間にはマリアナ海溝よりも深い溝がある)のと同様に,画像生成も人間のそれを(少なくとも完全には)代替できねえんじゃねえかなあ,と思う.

上記文章最近うだうだ疑問に思ってたんだけども,「絵師立場から言いたい「反AI」の人の態度について(https://note.com/magic_clover2991/n/n0ec2827346af)」読んで,頭の中の整理も兼ねて書くか,という気持ちになったので書いた.

リンク先の人に感謝を.

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