2019-08-21

個人ブロガーが始めたオフ会アニメ化され世界が分離展開している話

はじめに断っておくと、これは意見とか批判とかではなくて、

単にメディアインターネットで起こっている現象面白いなあと思っているという、ただそれだけの話なんだけど。

10年くらい前から、あるブロガーさんがごく個人的にはじめたオフ会に参加していた。

それは年1回開催されるわりとマニアックオフ会なのだけれど、そのジャンルではそこそこ名の知れた存在で、

毎回、どこからともなく50人以上がやってくるイベントとなっている。


で、そのオフ会の初期のメンバーマンガ雑誌編集者さんがいて、その人自身もその分野でとても熱心に活動している人だったので、

しばらく後に趣味実益を兼ねたマンガ作品が登場してそこそこ人気を博し、さらに後にアニメ化され、そこで多くの若い世代の注目を集めた。

ムラ社会になりやすニッチ世界裾野が広がるのは素直にとても素晴らしいことだと思う。

その作品の中では、古くからメンバーマンガアニメとはほとんど縁が無い、その趣味世界人達)が

ごくローカルな行きつけにしていたお店がまんまそのまんま実名のまま登場し、私達にも馴染み深い街や川や山が描かれ、

そして、そのオフ会が「元ネタ」としてやはりまんまそのまんま実名で登場した。

古参(というか実物)の人たちの内心のすべてはわからないけれど、とても愛着があってリスペクトのある表現が為されており、

作品としての評価は置いておいて、好意的に歓迎されたなかなか幸せコンテンツであると思う。


すると、今どきの出来事として当然、作品に登場した場所は「聖地」となる。

おじさんたちのオフ会は「作品で描かれたイベント」として、コンテンツとして認知されていく。

大洗とか身延のような大ヒットということにはならないけれど、身の回りでもグッズを身に着けた人たちを

ちら、ほらと見かけるようになって、オフ会作品を見て飛び入りでやってきる人たちがちら、ほらと増えてきた。

そのまま皆で話し、気が向いたら飲みに行く。正直に、とても素敵なことだと感じる。

※ただ、「女子高生女子大生がたくさん集結しているはずなのに!来てみたらおっさんしかいない!訴訟!!」

 みたいなことになってるんじゃないかという一抹の不安はあるのだけど。

一方で、こうなってくると、元々オフ会主催した人たちとは全く関係なく、

ネット上では聖地」としてこのオフ会名前が語られるようになり、もちろん「元ネタ」を知らない人たちが

オフ会を語り、聖地巡礼という形で「参加」し、知り得ぬところで新たな「イベント発起人」が結成されていたりという、

とても不思議現象ささやかに起こっている。

私はそれでもいいと思うし、たぶん最初にこのオフ会を始めた伝説個人ブロガーさんもそれでいいと思っているし、

世界ってそうやって広がっていくのかなあ、なんてことを考えたりもする。

もっと大げさな話になってくると著作権とか肖像権とかそういう話も出てくるのかもしれないけれど、

今は純粋に、元ネタとは乖離した場所で私達のリアル世界パラレルワールドが展開し、

自分が参加しているはずのイベントが別の日に「開催」されていたり、

またあるときリアル世界で会ったことのある普通の人たちが伝承物語の一部になっていたりする、

そんな光景を、ワクワクしたり、ムズムズしたり、とき苦笑いしたりしながら眺めている。

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