はてなキーワード: HPLCとは
食べ物の辛さは含まれるカプサイシンという物質の量に左右されるが、スコヴィル値はこのカプサイシンの量を表す。
最近の激辛ブームや、クイズブームでマイナーな専門用語がフィーチャーされることも多くなったので、聞いたことある人は多いと思う。
ではこのスコヴィル値はどのように決まっているのか気になった人はどれくらいいるだろう。
たとえば「この唐辛子はスコヴィル値100万!」とか言われても、何が100万なの?と思わないだろうか。
100人中99人は思わないだろうが、増田のような定義オタクは専門用語の定義が気になって仕方ないので調べてみた。
Wikipediaより:開発当初は、トウガラシのエキスの溶解物を複数(通常は5人)の被験者が辛味を感じなくなるまで砂糖水に溶かし、その倍率をスコヴィル値としていた。この測定方法では、カプサイシンをほとんど含まないピーマンのスコヴィル値は 0 とされ、一方、ハバネロのスコヴィル値は 30 万とされた。
これは最初の定義である。今ではもっと定量的に分析できるようだ。
が、具体的な定義は日本語版ウィキペディアや日本のサイトには書いてないため、英語版や論文を参考にした。
<方法>
1. どのご家庭にもあるHPLC(高速液体クロマトグラフィー。物質の中の化合物を測れる)を用意する
2. 図りたい唐辛子を乾燥させてアセトニトリル(どのご家庭にもある有機溶媒)に溶かす
3. カプサイシン+ジヒドロカプサイシンの量をHPLCで測る。純粋なカプサイシンも標準として測る。
4. キログラムあたりのカプサイシンミリグラムを出してppmHとする。
5. ppmHを15(なぜか16という話もある)倍するとスコヴィル値(SHU)が出る
つまり1万スコヴィルは666ppmH(1kg中に666mgのカプサイシン)、純粋なカプサイシンは1500万スコヴィルということだ。
世界一辛いグミ「Lil' Nitro」は900万らしいので、半分はカプサイシンである。本当か?
それにしても、各唐辛子農家やデスソース販売者がちゃんとスコヴィル値を出しているとは思えないので、結構みんな適当に自称しているようである。
ではこのドラゴンボールみたいなスコヴィル値インフレは純粋なカプサイシン=1500万が最高値かというと、そうではない。