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2021-01-16

歴代大相撲けたぐり」「けかえし」個人的ベスト

相撲決まり手けたぐり」をご存知だろうか。ポケモンの技で知っている諸賢も多いだろう。

この「けたぐり」。決まるとかっこいい。

押したり投げたりの相撲の中で、合気道のように相手姿勢を崩す技だ。

実際には動画を見てもらうとして、非常な力学が働く「力士×力士」のダイナミズムの中で、意外な身体の動きになる。

立ち会いの際に決まると「けたぐり」になり、その後の攻防で決まると「けかえし」という決まり手になる。

力学としてはほぼ同じなので、ここでは併せて考える。

今日は俺の好きな、かつ動画でみんなで見られる「けたぐり」について紹介するぜ。


第5位 平成20年初場所 時天空 対 出島

足技が得意な時天空。非常に綺麗な「けたぐり」を打つ。youtubeでは何個か時天空の足技を見ることができるが、個人的な「けたぐりベストはこれ。

https://youtu.be/KryP9tRyW48?t=329

時天空は立ち会いで「けたぐり」を仕掛ける可能性を匂わせておいて普通に正面から右を差しにいくことがある。

足技だけではない技量小結まで登った時天空だが、病により2017年に亡くなる。天国でも力の神々にけたぐりを仕掛けていることだろう。

第4位 昭和60年11月場所 栃剣 VS 小錦

日本人ってのは身体比較小さいから、小さな力士が大きな力士を倒すと否が応にも盛り上がる。俺は様式化されすぎて今はあまりきじゃないけど。

小兵の栃剣は小錦の強烈な張り手に耐え、「ここぞ」という場所小錦の足を動かす。小さな動きで大きな身体を揺るがす。「けたぐり」「けかえし」の面白さが凝縮された取り組み。

https://youtu.be/Z0zlIsZ_eaI

第3位 昭和42年11月場所 海乃山 対 大鵬

海乃山は小兵の曲者で、足技もそうだし、わりかし土俵態度も悪い。怪我のせいで立ち会いの所作も悪い。関脇まで進んだが、関脇には品格は求められなのだろうか。いいのだ。強ければ。

今までのけたぐりと違うのは、海乃山が取り組みの中で何度も「けかえし」を仕掛けるところ。決まり手になる「けたぐり」「けかえし」だけではなく、取り組みの流れの中での「けかえし」をぜひ見て欲しい。

https://youtu.be/1wDKjWZ5qYU

この動画は多分日本相撲協会平成期に出した『大相撲全集DVDのどこかの巻だと思うけど、もし良かったら他の部分も見て、海乃山の、取り組みで何度も仕掛ける「けたぐり」「けかえし」を堪能して欲しいと思う。


第2位 平成18年11月場所 朝青龍 対 稀勢の里

いろいろ話題になった「けたぐり」だが、まずは朝青龍の「けたぐり」のうまさを見てほしい。

https://youtu.be/KryP9tRyW48?t=279

朝青龍運動神経というか身体能力というか相撲頭脳の高さというかが垣間見られる。朝青龍けたぐりを多用しないが、使おうと思えば簡単に使える。

そんな彼の多芸ぶりを知ることができる。

この取り組みは「横綱品格」を巡って問題になった。横綱審議委員会が、横綱らしくない取り組みだ、と苦言を呈したのだ。

けたぐりは、小兵力士の技というイメージがある。俺は横綱なんて品格も何も強ければそれでいいと思うから朝青龍技量の奥深さを知れて良かったと思う。


第1位 昭和45年9月場所 藤ノ川 対 北の富士

現在映像で見ることのできる「けたぐり」の個人的ベストはこれ。

https://www.youtube.com/watch?v=sO6fPrxcJso

この立ち会いでは、藤ノ川は手で相手に何かを積極的にしていない。「け」はしてるけど「たぐり」はほぼしていない。

ただ、さらによく見ると、藤ノ川上半身でぶつかっていくようなフェイントをかけている。

けたぐり」成立の最少限度の要件を満たした洗練された美しさがある。

藤ノ川の取り組みは見ていて面白いので他の動画もよければ見てみて欲しい。

なおyoutubeアップロード倫理的問題を感ずる方は、『大相撲全集DVD10巻を閲覧するといいだろう。図書館などでみられる他購入もできると思う。

 
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