■よいなと思う短歌を書く。
すがるなく秋のはぎわらあさたちてたび行く人をいつかとかまたん/よみびとしらず
花札の絵柄のような春よ来いなんてことない日も悪くない/俵万智
足もとに末枯れゆく草おほひゐてザボンひとつを分けあひて食ふ/小山光夫
山川のとどろとどろと暮れゆけば西の狭間の光こほしも/土屋文明
やるせないと思えるうちはまだ光っているのだろうなブラウスふわり/野口あや子
いるんだろうけど家に入って来ないから五月は終わり蚊を見ていない/永井祐
夕焼けの雲に向かって「アカ」「アオ」と水兵さんの手旗信号/穂村弘
泳ぐには少し早いね真っ白な切手を売って暮らしていたい/服部真理子
やさしくて怖い人ってあるでしょうたとえば無人改札機みたいな/杉崎恒夫
あたたかな桃と思えば産まれ出てまもなく吾子の頭に触れる/森垣岳
ついてってやれるのはその入り口まであとは一人でおやすみ坊や/俵万智
おわり。
後書
「じゅうろくとよんといちと
じゅういちとじゅうに=(にあまり)」
こんな短歌ばかり作り続けてもう10年になる
改めて先人の残した歌に触れてみると自分の実力の無さに嫌気がさすが同時にもっと短歌を作りたい!と思ってしまうのはなぜなんだろう
金があれば一万冊でも歌集を買いたいものだが、世間のいう貧困そのものの生活をしており、それは願いにしからない。ここに取り上げた短歌は家にあった歌集をかき集め、抜粋したものである
本当は塚本邦雄の歌も入れたかったのだが、変換に出てこない一文字があって断念した
多分こんな歌だったらしい
○方は二十五 鈍器ブローカー 秘書求む。__
桃色の踵の
この○だけが思い出せなくて断念した
もしこれを読んであなたもいい短歌が思い出したらそれを大切にしてあげてください
【追記】
手帳を見返してたら塚本邦雄の短歌がもう一首
メモしてあった
「しかもなほ雨、ひとらみな十字架をうつしずかなる釘音きけり」らしい(合ってる?)
隣に書いてあったのは「男やもめにうじがわく」だった。謎
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