はてなキーワード: 幽霊文字とは
実物はないのに未来に発見される可能性のために名前だけが付いている。
言葉の影響力は今この世界のみに及ぶのではないことを教えてくれる。
A面B面とはレコードからの名残である。メイン曲をA面、カップリング曲をB面と呼び、両方の曲がメインとなる場合は両A面とかダブルA面という。
そこまでは良いのだが、トリプルとなると元のレコードのイメージは完全に崩壊する(レコードに面は3つもない)。
つまり元はレコード由来の概念だったものをCDに拡張した際、面という言葉が意味を失い、抽象世界上の産物になったが故に成立した言葉なのだ。
言葉は実世界から発生するが、必ず手の届かない抽象世界へと逃げていくことを教えてくれる。
JIS規格に紛れ込んでいる、どの文献にも存在しない漢字のこと。
「彁」などが有名で、担当者のミス等で発生したと考えられているが、面白いのは今や「どの文献にも存在しない」とは言えなくなっていることだ。
つまりこの投稿のように、「幽霊文字」を解説する文章上で確実に「彁」が使われるからだ。
しかし、この「幽霊文字」という言葉そのものも、「彁」などの漢字が存在して初めて意味を持つ。互いに互いの存在を解説する以外には使われない閉じ切った関係である。
言葉は実世界から切り離され、単独で存在することすらできることを教えてくれる。
Save Our Shipの略などと言われているが、それは後付け。
実際はモールス信号の「・・・― ― ― ・・・」から来ており、SにもOにも何の意味もない。
たまたまSとOが当てはまっただけのところから意味が発生し、全世界に広まり、それが本来の意味のように言われさえするようになった。
言葉は常に偶然発生し、偶然成長することを教えてくれる。
ライトノベルとは何々である、という説明を、人類の誰も持っていない。どんな定義をしても例外が発生し、曖昧な中間が発生し、いつまでも意見が一致しない。
しかし、「このようなものがライトノベルの中核的イメージである」という共通信念を、我々はなぜか共有できている。