はてなキーワード: 富有柿とは
− 翌日 −
士郎「これが本物の奈良県産富有柿の種です。今日はそのまま何もつけずに生のまま召し上がってください。」
ガリィっ!
ゆう子「まあ、硬い!ジャッギリドンとした歯ごたえがたまらないわ。これと比べると、昨日食べた柿の種はまるでお煎餅みたいにパリパリしていて物足りない歯ごたえ。」
士郎「この柿の種は生きている。なにしろ、これを土に植えれば柿の木が生えてくるほどの生命力があるからな。昔は柿の種を食べれば必ず腹を下すなんて言われていたものだ。」
士郎「その前に、この柿を見てくれ。」(輪切りにした庄内柿の断面を見せる)
ゆう子「まあ、この柿、種が無いわ!」
士郎「そう、種無し柿だ。食べやすさを考えると種は邪魔になる。だから、品種改良で種無し柿が作られて普及した。今では種無し柿の方が主流になっていると言ってもいい。」
ゆう子「まあ!」
士郎「その結果、本物の柿の種が激減してしまった。そして、代用品としてもち米を使った模造品が『柿の種』として流通するようになってしまったんだ。」
ゆう子「まあ、柿の種ともち米とではぜんぜん違うものなのに!」
士郎「もち米を焼いた特有のクリスピー感と甘辛い醤油味が人気になって、今や『柿の種』と言えば偽物の方を思い浮かべる輩も少なくない。まったく、嘆かわしい話だぜ。」
ガリィっ!
万太郎「なんちゅう…なんちゅうもんを食わせてくれたんや。これに比べると昨日の柿の種はカスや!」
− さらに翌日 −
3人は腹を下してうんこを漏らした。
少し前に柿にまつわる増田が3件くらいあった日があり、
それ以来、自炊のデザートにスーパーで柿を買って帰ることが習慣になっている。
包みには次郎柿とか富士柿(訂正→富有柿)とか書いてあるが、帰ると包みのビニールを剥がして
冷蔵庫にゴロンと転がしているので、食べるときには何柿を買ったのか忘れてしまい、
元来あまり甘いものを食べる習慣がなく、たまにあってもコンビニスイーツ程度だった自分には、
皮をむくときは緑色で葉のように大きく張り出したヘタを先にむしって、ヘタ周りの皮をむきやすくしておく。
そういえば苺にも緑色が鮮やかなヘタがついているが、このヘタは光合成を行うのだろうか。
ヘタは実に直属の我が身を誇り、一般の葉を見下したりするのだろうか。
思い上がるなよ、あまり調子に乗るなよ、という気持ちをこめてヘタをむしる。
皮をむいた柿をひっくり返し、まな板の上でまず六等分に、更にそれを二等分にして一口サイズにする。
ゴロリと皿に盛り、爪楊枝でパクつく。
噛んだ断面からジワリと染み出す果肉の控えめな甘さそのものは柿独特だが、どこかメロンに通じている。
食感もやや硬いせいで世間的な評価で損をしているよな、と思う。
舶来由来特有の物珍しさやありがたみがないこともあるかもしれない。
柿のイメージは和だ。そういえば英語でなんと呼ぶのかも知らない。
最近はスーパーの棚の柿の品揃えが徐々に少なくなってきていて心もとない。
11月も、もう終わる。