政治の話はとんと聞かない。
いや、たまに話しているおっちゃんもいるが言っている意味はわからない。
しかし何か、いろんな集団にそれぞれ意見があって、委ねる人を決める行事なのだなと理解している。
さて、増田には竹馬の友があった。セリヌンティウスたちである。
増田のセリヌンティウスは6割が手帳持ちの障がい者で、今は苦しみながらフリーランスをやったり、2ヶ月でクビになりながらバイトを転々としたり、年金を切られながら障がい者雇用で頑張ったりしている。
かくいう増田も診断はあるが、運良く働けているうえ、当日投票所に足を運べる体力と休日があった。そしていつか障がい者として区分されるまでの猶予もあった。
駅前で演説していた立憲民主党の人間が障がい者福祉について話しているのを思い出した。あと、つい最近そういう増田も読んだ。
増田は単純な男だった。
それから、増田は外国人労働者にもっと優しい政が良いとも思った。一緒に働くベトナム人は良い人間ばかりだ。
ベトナム人が振る舞ってくれた育ちかけのヒヨコの味を思い出す。あれは美味かった。
またしても、増田は単純な男だった。
投票所まで三里もない道を歩きながら、一応入れる先の評判を見ておきたくてインターネットのメロスたちの呟きを調べた。
昔なにかあったようだが、増田には良し悪しがわからなかった。それから、過去に学ぶのは失敗した人間の方だと思った。
なぜか後ろめたかった。政治はわからぬが、人の怒りには人一倍敏感だった。そうして時々八方美人になってしまうのだった。
よく考えてみれば、書いてある政策を実際やるかどうかなんてわからなかった。
今の現場の最高齢は76歳のクロス屋さんである。増田はそれまで働けるだろうか。わからない。でも働かなくてもよくなりたいと思った。
そして恋人のことを考えた。恋人も障がい者だった。そして男だった。さらに加えて働けなかった。
増田が死んだら恋人はどうなるのだろうか。わからない。でも苦しむことなく生きていければ良いと思った。
何も変わらない一票であるならば、せめていつでも私を信じてくれるセリヌンティウスに使いたかったが、実際そうであったかは定かでない。
さて、次回はどうしようか。次回って来年くるのか。あるいは4年後とかか。
有効に使いたければ知るべきだ。
これはきっと、政治に関して無知であり続けることに変わりないだろう。
やんぬる哉。
約10キロ移動するならせめて自転車くらい買いなよ
投票に行った障碍者>>>>>>>>>>>>投票に行かなかったクソアホ健常者 誇るががよい