2024-09-22

MBO(目標管理制度)が日本スタートアップを潰す

日本スタートアップが抱える構造的な問題ひとつに、MBO(目標管理制度)の導入がある。

MBO従業員個々人が自身目標を設定し、期末や四半期末に自己評価を行い、上長との面談を通じてフィードバックを受けるというシステムだ。

この制度日本スタートアップに与える悪影響は計り知れない。

例えば、従業員100人スタートアップを考えてみよう。

従業員評価シートを記入し、面談を行うために要する時間は膨大だ。

評価シートの作成に800時間さら上長との面談に200時間、合計1000時間リソースが、この無意味プロセスに消費される。

人ひとりが月160時間働くとすると、この1000時間は約6人分の作業時間に相当する。

6人分のリソースがあれば、新たな新規事業を立ち上げることも可能だし、既存事業に投入すればその価値向上に大きく寄与するはずだ。

それなのに、スタートアップはこの時間評価システムに浪費している。

アメリカインドスタートアップにはこのような評価制度存在しない。

彼らはその時間プロダクトの価値向上や市場開拓に集中させている。

日本スタートアップ世界に勝てない理由がここにある。

さらに、MBO全体最適を阻害する。

個々人が自分にとって達成可能無難目標を設定するため、会社全体としてのインパクトが著しく低下するのだ。

目標が細分化されることで、会社全体の方向性社会的インパクトが失われてしまう。

日本外のスタートアップでこのような馬鹿げたシステム採用している例は見当たらない。

成功するスタートアップでは、社長が率先して社会的インパクトを生み出す目標を設定し、トップダウン組織リードしている。

MBO蔓延している理由ひとつは、日本スタートアップ社長リーダーシップの欠如だ。

従業員に対して強力なビジョンを示すことができず、個々人の目標に委ねている。

リーダーが明確な方向性を示さなければ、スタートアップは当然のごとく沈没する。

日本スタートアップアメリカインドスタートアップに競り負ける理由は、こうした評価制度にまで表れているのだ。

MBOを導入しているスタートアップは、今すぐその制度廃止せよ。

失われた1000時間を取り戻し、プロダクトの価値向上に集中するのだ。

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