京都アニメーションの新作が発表された。
落胆した、そして悲しくなった。
一方は既存のシリーズの劇場版、もう一方は新規とは言えかつて京アニで制作した同作者の「日常」の流れを汲んでるので、似たようなテイストになるのは明白だ。
京アニは完全新規の企画を立ち上げる体力はまだ戻ってきていないことをまざまざと証明させられた。
あの放火殺人事件によって、京アニの精神的支柱・大黒柱とも言える木上益治氏を失い、武本康弘、西屋太志、池田晶子も居なくなった。
実は事件後、犠牲を免れた人達の中からも大勢が京都アニメーションを去っている、監督・キャラデザ・作画監督クラスの人間がごっそり京アニを辞めたのだ。
きみの色公開中の山田尚子はもとより、ヴァイオレット・エヴァーガーデンのキャラデザの高瀬亜貴子ももう京都アニメーションには在籍していない。堀口悠紀子は事件の数年前にはすでに辞めている。
その他の作画監督級のアニメーターも退職して上京したり、廃業したりしている。
2010年代の京アニは特に自社原作オリジナル作品に力を入れていた。
会社として多数のオリジナルIPを生み出せる強みを存分に活かしていたが、それを担える才能はあの事件でほとんど失われてしまった。
今度の「新作」も、既存もしくは既存に近い性質の作品ばかりだ。
傍目には復活できたかのような京都アニメーションだが、今回の新作発表会で事件から5年以上経ってもかつての力を取り戻せてはないという現実を無惨にも突きつけられた気がした。
京都アニメーションの強みというのは、商業主義と表現主義のバランスだ。商売として売れなければどうしようもないが、だからといって表現も捨ててはならないという強固な意思の強さだ。それは犠牲になった木上益治氏の影響力も強かったからだ。華々しいテレビや劇場の裏で作っていた短編作品などは極めて表現主義的なものだった。
その木上氏を失い、多数の才能も失った京都アニメーションは今後、商業主義的な作品ばかりになっていくのだろう。
それがとてつもなく悲しい。
サンライズもなくなったからねえ
防火設備にすら金を惜しんだ会社の末路
え!なんで!?京アニでCITY HUNTERアニメ化ってすごいじゃん!!