2024-07-09

負け組こそ現職に投票すべきなんだよ

東京都民ではないので、都知事選とは関係ない。

ただニュースを見ていると、ふと去年の市議会選挙のことを思い出した。

政治に詳しいわけでも興味があるわけでもないけれど「選挙に行くべき」という考えはあるので、誰かに投票しなければいけない。でも、正直言って、市議会議員なんて、顔も名前もひとりもわからない。

から送られてくる新聞みたいなものに、候補者名前公約の一覧が載っていたので、それをざっと読んで決めることにした。

まれているのか、うちの市は定員割れをすることもなく、それなりに選択肢のある状況だ。

まず、不正に慣れすぎている自民党は除外。市議会選挙なのに「反原発」とか書いてある様子のおかしい人たちは除外。うちの市に原発はない。

そうなると、無所属新人のなかから選ぶことになる。


うちの市は道路が狭い割に、でかいトラックが頻繁に走っている。歩道もないようなところを子供達が歩いているのをよく目にするので、「通学路の整備を進める」なんかを公約に入れている人は、ちゃん市民生活を見てそうでいい。我が家子供はいないが、道が歩きやすくなることはいいことだ。

あとはなるべく若い人がいい。

それらの条件を考慮して、この市で生まれて、有名私大に進学し、名のある会社に勤めた四十代後半の候補に決めた。初出馬らしい。


誰に投票するか決めたので、投票所になっている近所の児童館に行って、その人の名前を書いた。

選挙に行ったので外食したり、YouTubeを見ていたりして過ごしていると、いつの間にか結果が出ていた。

自分投票した候補落選していた。当選までは、あとたった十二票だった。


別に、その候補応援していたわけではない。演説を見たわけでもないし、本人に手を振られたわけでもない。選挙の当日まで名前も知らなかった候補だ。

がっかりする必要はまったくない。そのはずなのに、がっかりしてしまう。


「負けた」


自分落選したわけでもないのに、妙に惨めだ。

次は「勝てる」候補投票するべきなんだろうか。

そうすれば、こんな気持ちになることもない。

なんで苦しい生活を強いられて、投票にまで行って、こんな惨めな気持ちにならなきゃいけないんだ。


少しでも気持ちよくさせてくれ。投票した候補が受かってくれ。

これ以上惨めな気持ちになりたくない。

からきっと負け組は、政策とか公正さとかじゃなくて、勝てそうな候補投票するべきなんだ。

その後の生活なんて関係ない。どうせ政治なんて誰がやっても大差ない。

次の選挙がいつかも知らない。

たぶん、そのときは同じように公約を見て候補を決めると思う。

だけど、その次は、その次の次はわからない。

いつか心が折れて、自分の物ではない「勝利」の感触に、負けてしまうような気がする。

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