2024-05-26

anond:20240526190500

検診で女児が服を脱がされている。男性校医性的好奇心のために。そう思っている方がおられるようだが、そんなことはないと思う。

僕は消化器内科医として大腸内視鏡や造影検査でたくさんの方のデリケートゾーン仕事をしてきた。いまも在宅医として日々尿道留置カテーテルの挿入などしているが、そこに何か特別感情が生じることはない。

意識してきたのは「目の前の患者さんに必要処置をできるだけ少ない苦痛で」。

もちろん脱がされること自体苦痛になりうる。羞恥心への配慮は大切だが、それによって診療としての必要条件が満たせなければ結局患者さんの不利益になる。

少し前、AED使用する際に女性の胸をはだけることが許されるか話題になった。秒を争う救命処置と胸を隠すこと、どちらが優先されるべきなのか。ここに議論余地があるとは思ってもいなかった。

救命できなければ問題にされる、救命できても胸をはだけたことで問題にされる、こんな状況で誰が「若い女性」の救命処置に関わろうと思うのだろう。

の子供のころは上着を脱いで検診を受けるのは当たり前だった。そこに当人が疑問を感じることも保護者クレームもなかった。それは検診の意味をみんなが理解していたからか、あるいは医師に対する無条件の信頼があったからなのか。

今は、おそらく医師の視診・触診・聴診・打診に対する信頼度が下がっているのだろう。あるいはそれ以前に医師人間性に対する信頼が失われているのかもしれない。

一方で診断機器に対する信頼は厚い。保護者の多くは心疾患の除外診断にはエコーを、側弯の除外診断にはエックス線検査をすればいいと思っているはずだ。

これは医師患者の双方にとって望ましい状況ではない。しかしこの状況は、近年、医師が日々の診療カルテ画面見て「患者」をきちんと診察せず、検査結果だけで病気を診断してきた結果なのかもしれないとも思う。

でもこれは医師だけの責任にはできないとも思う。外来に溢れる多数の患者、待ち時間に対するクレーム、診断ミス処置合併症に対する訴訟リスク。これは日本健康保険制度に基づく医療提供体制のもの問題でもある。

患者医師の双方にとって最適な診療環境とはどのようなものなのか。医療に対して失われた信頼をどう取り戻していけるのか。あるいは、テック進化で、もうそんなもの必要とされなくなるのか。

記事への反応 -
  • 学校の検診で男児を女医が診ることってまずないと思うけど、男児が女医に裸見られるのは恥ずかしいって言ったらこんな叩かれてないよな 男子トイレや男湯に女児を連れて来るなって...

    • 検診で女児が服を脱がされている。男性校医の性的好奇心のために。そう思っている方がおられるようだが、そんなことはないと思う。 僕は消化器内科医として大腸の内視鏡や造影検査...

      • 昔は庶民の家にはお風呂がなくて、銭湯に通うのが普通でした。だから他人の裸は見慣れていたし、小学生男子なら女湯入ってても何とも思いませんでした。この裸への拒否感、社会の...

      • 保護者は文科省の通知に従って欲しいだけだと思うけど。 医師としてその内容がおかしいと判断されるのであれば、それは保護者ではなく国に進言すべきでは

      • そんなもん言い訳にならんよ 学校が勝手に呼んできた医者が信用できん 児童(特に女児)の健康は親が自分で診察するルールでいいよ どうしても自身がない親は自費で知り合いの医者...

    • 逆でしょ 男が言ったら叩かれる 女が言っても叩かれない

    • 女性のどの体勢からでも被害者ポジションをとれる能力すごい

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