女でガッツリゲームをやってる奴は少ない、みたいな話には、「それは偏見だ」「私は女でゲーマーだ」「性差別だ」などと猛然と反撃されるようになってきたわけだが、私は一周回ってその風潮こそが性差別的というか抑圧的ではないか、と思う。
あなたがガチゲーマーだということを否定したいのではなく、同じくらいガチにやっている女のゲーム友達を、クラスメイトなどリアルで見つけることは困難じゃなかったか、と。
その寂しさとか、なんなら疎外感のようなものが、「女ゲーマーは少ないのは嘘」ということによってないものとされてしまうようで、私はそれが嫌だと思う。
ここでいうゲームは、着せ替えゲーとかスローライフコミュニケーションゲー(どうぶつの森みたいな)ではなく、アクションゲー、資源管理ゲー、対戦ゲー、RPGなどのことだ。
その手のジャンルを好む女プレイヤーが、リアルで同性のゲーム友達を見つけるのは今でもなかなか難しいと思う。
出会えた人もいるだろうが、しかし、そこで多少の苦労であるとか、自分は運がよかったなという感覚はあるのではないだろうか。
女のRPGプレイヤー友達ができたとしても、ストーリーについて語る人が多く、このジョブが強いとか、裏ボスがどうのという攻略的な話ができる相手はなかなかいない。
男は、クラスメイトで結構簡単にそういう話をする相手を見つけられていたみたいなのに(しかもコミュニケーションがあまり得意でなさそうな人でも!)。
今のインターネットで女性に人気が高い……たとえばポケモン、TRPG、FPSなんかもそうだ。
ポケモンなんかは総プレイヤー数で言えば女の方が多いんじゃないかというくらいだが、対戦ガチ勢でライバルになってくれる女友達を見つけるのはかなり苦労する。
TRPGも、びっくりするくらい女性プレイヤーが増えたのだが、ストーリーやロールに興味が偏りがちで、キャラのステ振りとかゲーム的なシステムに重きを置く卓を女性のTRPGコミュニティで立てようとすると人が集まらない。いっそゲームじゃなくて即興演劇とかなりきりチャットでいいじゃんという感じだ。
FPSも、男だったら男友達同士かつ結構ガチでやってる勢のフルパを組みやすそうなのに、女フルパを組みたくてもなかなかできない。
音ゲー、パズルゲーなんかは女性ガチ勢も結構いるが、他のジャンルの女ガチプレイヤーは同好の士集めに困るだろう。
そういう苦労や疎外感を、「女ゲーマーが少なくなんかない」という、一見道徳的で正しいかのような言葉で塗りつぶさないでほしい。