AI生成作品ランキング https://www.pixiv.net/ranking.php?mode=daily_ai
11/1よりPixivで遂に「AI生成タグ」オンリーのランキングが開催されるようになった。
これは今まで語られていたAI絵師に対する漠然とした意見に対しての答え合わせや新たな発見の場として非常に面白い。
最初期に廃れたと思われていたAIによる風景画が5位にランクイン。
これは非常に面白い。
何が面白いかと言えば通常のランキングにおいてもほとんど見られない「キャラクターが描かれていない絵」なのである。
総合デイリーランキング https://www.pixiv.net/ranking.php?mode=daily
作者を見てみると腐女子小説を書いていた人がmidjourneyが盛り上がってきた8月からAI絵師に移行したらしい。
ここでは「作者の過去作品を見た際にAI生成以外の作品をアップしている」「作品やアカウントの説明に加筆していることが明記されている」を足した数を人間による加筆数としている。
実際、拡大してみていくと「瞳の左右不対象」や「小物の精度の低さ」といったAI絵師の特徴を強く残す作品が半数ほどある。
当初のイメージにあった「自分でも描ける絵師がAIを修正するのが最強」というには厳しい結果となった。
上位にある絵でもAI特有の拡大時の粗さよりも、通常サイズで見た際の雰囲気の良さが優先的に評価されているように見える。
人間による加筆の確認のために作者を調べていくうちに気づいたのだが、同じ絵師によるランクインが多い。
始まったばかりだというのもあるのだろうがこういったランキングで一つのアカウントの作品が5つも入るような状況はかなり特殊だ。
50位まででアカウント数は22であり、平均すると1人2.3作品のランクインといなる。
1人の絵師による生成スピードの速さにより1人が短時間で多くの作品を作れることによって、結果として1人の絵師が奪い取る消費者側の可処分時間が通常の絵師より多くなっているという傾向は今後出てきそうである。
AI絵師の最初期に言われていた「誰がやっても同じような絵」という状態はすでに脱しつつあるのが分かる。
AI絵師達はすでに独自の呪文スタイルによりそれぞれの絵柄を獲得している。
ランキングを見るだけでも、頻繁に登場する絵師の場合は名前を確認しなくてもこの人が描いたのだろうなと確信が持てる段階に来ている。
ただ、「AI絵師は絵柄の幅が狭い」という状態はまだ続いているように思う。
次々に現れる筆使いのレパートリーたるや。
AI絵師の興亡はこの絵柄の獲得をどこまで伸ばせるのかにかかっているのかも知れない。
ここにリンクは貼らないので「AI生成ランキング」の状態でR-18を押して欲しい。
一般向けランキングと違ってR-18の上位には人間による加筆修正が加えられていると思われる絵がいくつも並んでいる。
だが一つ言えることがある。
R-18と一般では住んでいる絵師とユーザーがそれぞれ違うということである。
同じ道具を使っていてもその使い方によって独自のコミュニティが作られるということである。