<明治安田生命J1:オレオレFC0-4名古屋>◇第25節◇6日◇オレスタ
オレオレFCはホームで名古屋グランパスに0ー4で大敗。J1に昇格した2019年に記録したクラブワーストの9試合未勝利に並んだ。開始早々にGK村上が負傷交代するアクシデントもあり、前半で2失点すると、後半23分にDFユン・セフォンが裏に飛び出したFW永井を倒し、一発退場。数的不利に陥ったチームは更に2失点した。攻守に噛み合わないチームは次節13日にアウェイでヴィッセル神戸と対戦。勝てなければクラブワースト更新はおろか、他会場次第ではJ1残留争いの危機に立たされる。
【写真】名古屋に大敗し、悔し涙を流すパウロを慰める鈴木潤、本田。右端は唇を噛みしめ、悔しい表情を浮かべる松岡
厳し過ぎる結果にロイブルイレブンはガックリうなだれた。名古屋に敗れ、クラブワーストタイの9試合未勝利。相田満博監督らが新型コロナに感染し、離脱者も多いチーム事情がありながら、守備崩壊に加え、村上が負傷交代、退場者も出し、シュート僅か6本に封じられるなど、攻守にチグハグさが目立って大敗。試合後、ブーイングを浴びせるサポーターもいた。野牧憲広監督代行は「全てで後手を踏んだ試合だった」とガックリ肩を落とした。
崩壊の兆候は開始早々からあった。5分に直前のCKで、相手と接触したGK村上がゴールポスト脇に倒れ込んだ。表情をゆがめ、駆け寄った仲間がベンチに両手で×印を掲げ、顔を覆ったままタンカで退いた。代わって出たのはポルトガル人GKパウロ。3月に加入した19歳はここまで出場機会がなかった。チームのコロナ感染の影響でベンチ入りしたが、想定外のアクシデントでその機会が巡ってきた。
だが、前半18分にカウンターから失点すると、前半終了間際にはパウロが自らパスミスを犯し、追加点を献上。流れを失ったチームは後半23分にDFユン・セフォンの退場も響き、2失点。試合後、パウロは自らの不甲斐なさから悔し涙を流した。だが、DF松岡は「彼一人を責めるのは簡単。だけど、一番試合に出てる僕達がもっと声掛けとかをしていれば防げた失点もあった。(負傷交代した)村上の分まで勝ちたかった」と振り返り、野牧監督代行も「急なアクシデントで難しいところもあった。彼一人の問題じゃない」とかばった。
チームはクラブワーストタイの9試合未勝利。特にリーグワーストの43失点、3試合連続での複数失点、9試合中、8試合で先制点を献上した守備の立て直しは急務。野牧監督代行は負傷交代した村上について「多分、脳震盪。次は様子を見てから」として「簡単なミスで連続失点を繰り返している。攻撃的サッカーは我々の目指しているところですけど、全体の守備意識は変えていかないといけない」と課題を口にした。
次節からはアウェイ3連戦。その初戦は神戸と対戦する。コロナ陽性の相田監督は陰性なら同戦で復帰予定だが、勝てなければクラブワースト更新、他会場の結果次第では、いよいよJ1残留争いに加わってくる。新型コロナの陽性者が続出するなどチーム状況は決して良くないが、野牧監督代行は「下は向かせない。これも経験だと思ってやります。逆境といえば逆境かも知れないが、これを乗り越えれば、また良いチームになれる」と言い切った。苦境脱出に向け、これ以上、負けるわけにはいかない。