日本国民の歯の状況の悪さについて語られる際、
日本は保険制度があるので虫歯になってからの歯科医療の治療費が安く済むから虫歯になってもいいと思っていてメンテナンスを怠っている、
……という前提で語られる事が多いけれど
これって全然違うと思うんだよな
だってどんなに費用が安かったとしても、歯医者に行って削られるのって嫌じゃん。虫歯にならずに済むならそれに越した事はないに決まってるじゃん
なのにどうして「治療費が安いから虫歯になっても大丈夫だと判断して定期メンテナンスに行かないに違いない」などという誤解が生まれるんだろう
そうじゃないだろ、庶民はその定期メンテナンスの費用が高くて「払えない」から「行けない」んだよ。「行けない」のであって「行かない」ではない。
3千円のクリーニング代が払えなくて、その結果10万円の根管治療や50万円のインプラントが必要になってしまうんだよ。
挙げ句の果てに保険制度を廃止してアメリカみたいに全部自費にしようなんて話まで出てくる。そんな事をしたらどう考えてもますます悪化するのに。
歯科医院での定期メンテナンスに行く人を増やしたいなら、自己負担を下げる事と労働基準法を改正して傷病休暇を義務付ける事の方がどう考えても効果的なのに、
「行きたくても行けない」人が、「行こうと思えば行ける」状態にする事が何よりも大事なのに
患者が知識が足りなくて定期メンテナンスの重要性を知らずに自分の意思で行かない事を選んでいると決めつけて、患者への啓蒙ばかりに必死になっている愚かしさ。
妊娠中絶の話題で、10万円の中絶費用が払えなくて1億円の子育て費用を払う事になるとかいう話なんかでもそうだけど、
庶民が目先のお金を「払えない」んじゃなくて、「払えるけれど惜しんでいる」という前提で語る人達が多すぎないか
実際にはそうじゃなくて、ガチで余裕がなくて「払えない」んだよ。