先日、好きな俳優のおすすめ作品を聞かれて紹介した際に、とある作品は除外しました。
とても良い映画なのですがGEOでしか取り扱っていなかったからです。
近所にゲオがあるかどうか分からなかったし、宅配レンタルにしてもハードルが高いのでは、という懸念から除外しました。
そこで少し考えたのです。
たぶんですが、そうしないと生き残れないんじゃないでしょうか。
まだ日本に入ってきていない面白い作品をせっかく見つけてレンタル商品に加えようとしても、あとから大手配信サイトで取り扱われれば、大抵の人はそちらを選ぶと思います。
私の近所にはゲオとTSUTAYAがありますが、最近は家電製品やトレーディングカードのコーナーが面積を増やしつつあります。
個人的には残念ですが、さきほど言った利益を守るために必要なこととして繋がります。
コロナ禍で外出が制限され、配信サイトが潤沢に用意されている現在。
時代の変遷とともに不要とされるものが出てきてしまうのは致し方ないことだと思いますが、私はレンタルビデオ屋が好きです。
田舎に生まれたこともあり、映画館へ行くよりレンタルビデオ屋の方が映画を見るのに身近な手段だったこともありますが、現実に並んでいるぶん、情報の摂取が容易なのです。
あの俳優が出ている作品、あの監督の作品など、検索をするぶんには配信サイトは楽ですが、映画に触れたいと思って行く場合はレンタルビデオ屋の方が優れていると個人的には思っています。
上映作品が絞られ、人が外出できなくなった今、利益が上げられなければ閉まるのは当然です。
映画を作るには莫大な費用がかかり、回収できなければ誰かが割りを食います。
配信サイトで最初から流してしまっても、それは一概に責められるものではないと思っています。
ですが各配給会社や映画制作会社が配信へと舵を切ろうとしたとき、映画ファンはこぞって製作側を責めました。これまでの映画業界への貢献、宣伝を打たせておきながら配信へ切り替えたこと、度重なる延期により映画館に人が来なくなった、などが理由です。
一つ前に書いたことと矛盾するようですが正直、もっともではあります。
どちらも利益を守りたいのです。
私は映画館で映画を見た回数よりも、借りてきた映画を家で見た回数の方が圧倒的に多いです。
しかし私の回りではレンタルビデオ屋のスペース削減や閉店を惜しむ声はあまり聞かれません。
映画ファンはどうしてレンタルビデオ屋が少なくなることにたいしてなにも思わないのだろう。
もしかして彼らは新作が映画館でやらないことに憤っているだけであり、旧作は配信サイトで良いやと、それこそこれまでの恩を忘れ、レンタルビデオ屋をないがしろにしているのではないでしょうか。
私も配信サイトに登録してはいますが、それはそのサイトでしか見られないものを見るためです。
なくなってほしくないからです。
前記したように時代の変遷とともに消えていくものはたくさんあります。
仕方のないことです。