「感想屋さん始めました」という呟きとともにこんなノートが公開された。
https://note.com/kansouya_san/n/nc7a74be48aed
要は金さえ払ってもらえれば、どんな作品でも感想を書くよ、というサービスである。
それだけなら既に(有名ではないが)サービスとして存在している。驚きもあまりない。
問題は、感想の対象が「自分の作品とは限らない」ということだ。
他人の作品に対して、感想屋が「匿名」という体で感想を送る、というサービスもやるつもりらしい。
はっきり言って地獄だ。
私は、金払ってまで他人の作品に感想を送ってもらいたい人の気持ちは分からない。
だが今後、自分の元に届いた匿名の感想が、「誰かに雇われ、ビジネス的に書いた感想ではないか」という疑念が付き纏うだろう。
「お金払ってまで感想書いてもらいたいんだから、好意は存在するのでは?」と思う人もいるのかもしれない。
そんなことするくらいなら、その人自身から直接、どんな拙い言葉でも感想や好意を伝えればいいと思う。他者を雇う必要はどこにもない。
私の作品は、純粋に同じ好みを持ち、「いいな」と思ってくれる人の元へ届けたい。届かなくて感想が来ないなら、きっと落ち込みはするが構わない。感想屋に感想を書かれるくらいならば。
お金を払い、仕事として作品を読ませ、仕事として感想を提出する。
私は好意とは受け取れない。いらない。
プラスの感想にせよマイナスの感想にせよ、自主的に私の作品を「読みたい」と思った人だけから感想が欲しい。
また、インターネットは悪意に満ちている。
よからぬ考えを抱く人が、気に入らない作者に対して感想屋を雇い、感想が届いたと喜ぶのを見てほくそ笑む…という構図も浮かんでしまう。
あるいは純粋なファンからの感想が届いて喜ぶ人に「それは私が雇った感想屋ですよ。ぬか喜びでしたね」なんて悪意ある嘘のメッセージが送られる場合も考えられる。
あるいはサクラとして使われて、「盛り上がってるように見せかける」広告として利用されることもあり得る。所謂ステマだ。
善意から始まったことだとしても、いくらでも悪意に塗り替えられる。そんな事例はインターネットにごまんとある。
感想が欲しい人と、感想屋の二者間のやり取りなら好きにすればいいと思う。
私は感想屋をブロックし、プロフィールに「感想屋お断り」と書いた。
何が悲しくてプロフィールにこんな文言を入れなければならないのか。感想屋サービスを知らない人が、「感想自体がいらないのかな」と勘違いしそうだ。誤解されるのは本意ではないのに。
バームクーヘンの天日干しの感想