ワンパターンの構図、暗い画面、撮影者(男)の声や身体が混じる不愉快さ、AV女優ほど美人でもない、これらから自分も素人のハメ撮りなんか見て何が面白いんだと思っていたが、究極のプライベートを覗き見ているという悪趣味な一面に気付いて以来、よく見るようになってしまった。
JKぽい制服着た女性が撮影者とする動画で、撮影者の猫なで声がちょっと気持ち悪い。女性は結構な美人でありながら積極的で、カメラに対しても特に嫌悪を示さないところから所謂デリ嬢との行為を撮ったものなのだと思っていた。ある時ふと続きの動画や関連動画がないかと調べてみてやっと、2人は恋人同士であることを知る。その時の感想は「世の中の恋人はこんなAV紛いの行為をしている…だ、と…?」であり、とてもとても哀しい思いをしたのをよく覚えている。
女「いいよそれでも。お金も要らないし」
男「いやそれはちょっと…」
女「寂しさを紛らわせてくれたらいい。気が向いたらお金払って」
男「…………」
ここで何も言わない男はクソだと思ったけど、何を言ったところでやっぱりこの男はクソだなとも思う。しかし恐らくは行為中であることを理由に、編集でカットしなかった点にはプロ意識を感じる。
個人撮影ものには、希に写真(写メっぽいやつ)と動画がセットでzipになっているものがある。写真は全てエロとは必ずしも限らず、普段の日常を映したものも多少混じっていることがある。
これは女性個人の写真だけでなく、付き合ってると思しき男性も一緒に映っているものだった。男は正直、ちょっと小憎らしい顔の小僧だ。こんなもん一緒に入れるなよと思いながらホイールを回していくが予想外に枚数が多い。非エロなんて精々10も無いのが相場のはずが、20、いや30以上もある。遊園地へデートに行った日、変顔でプリクラを撮った日、一緒に花火をした日、初詣に行った日、布団の上でじゃれついてる日、どの写真を見ても、小僧なりに彼女を大切に思っているのが嫌でも伝わってくる。そして気付いたら泣いていた。こんな、ゲームやラノベみたいな恋人たちの日常が現実に存在するなんて知りたくも無かった。このzipを作った奴は一切の選別をせずに固めたのだろう。そしてこのzipを作ることができるのは彼らの近しい関係の誰かなのだろう。悪趣味にも程がある。