母親が狂った。
いや、正確に言うと「狂ったらしい」。ただ、私はそれを目の当たりにしてもいないし、明らかな被害にも遭っていない。
今の所、その狂ったらしいと思われる情報を、彼女の周囲から聞いているだけだ。
何かに追われている
盗撮されている
誰かが死んだ
何かが襲ってくるから早く逃げて
そんなようなことを言っては、近所の人の門を叩いたり電話をかけたりしているらしい。
還暦を過ぎた女の独居。寂しいことも不安なことも多いだろうことは予想できるが、彼女に何が見え、何が聞こえているかはわからない。
その事実らしき話だけを聞かされて今、ただただひたすらに参っている。
それから、その彼女の周りが気やすく言ってくる『あなたは家族なんだから』という言葉が、ただただひたすらに鬱陶しい。
私はきっとはたからすれば、普通に育って親の元から巣立ち結婚した娘だ。
だけど周囲は何も知らない。私が、母を含めた彼女の家の呪縛から逃れたくて、一人になり、結婚したことを。
もちろん、やらねばならないことはわかる。
かけるべき電話はいろいろかけ、精神科のある病院等も見繕った。が、病院はどこに連絡しても、すぐに予約が取れそうなところがない。
救急で対応が可能か救急相談もした。しかし予想通り、その症状が出ている最中でもない限り、出動はしてもらえないとのことだった。当然だ。
行政への協力依頼として、保健師への相談も行った。やはり病院受診が先だろうと言われたが、相談実績を作りたかっただけだから、これはいい。
病院に連れて行くにしても、「あなたは頭がおかしいから病院に行こう」などと言えるわけもない。そういう部分のケアも考える必要がある。
それでもどうしても自身の生活の片手間になるから、スピードは遅い。
そこへまた追い打ちをかけるように、『家族だから』と告げてくる人間がいる。
集積されてどろどろになった情報を、その人らの視点から私に突きつけてくるのだ。
離れたくて離れたのに、またそういうものに絡め取られようとしている。他人からの親切丁寧な忠告によって、『あなたのお母さんが大変なのよ』と。
私だって、彼女とは血縁かもしれないが、他人なのに。繋がるなにかを、全部絶っておけばよかったのだろうかと、うっすらと思ってしまう自分がいる。
救急車を呼んでくれていい。
妙に現実的な逃避と、自身の中にある拒絶とかろうじてある義務感がごちゃまぜで、湧き上がる気持ち悪さに吐き気がしてくる。
統合失調症とか、 レビー小体型認知症ではないですか? チェックリストドウゾ。 http://sodan.e-65.net/basic/check/lewy.html
今日も女はポエムde毒親叩き