私はいわゆるサラリーマンで、平日仕事をして給与を得て暮らしている。妻と子も居る、どこにでもいる家族だ。
どこの家庭でもそうだろうが、子供や家族の将来に対する備えについてアレコレ考えて実践していると思うけど、収入がもっとあればなと感じる事は多々あると思う。
そんな時にいつも頭をよぎるのがタイトルの事で。
若い時にまともに勉強もしていなくて、スケートボードと音楽にしか興味がなかった。20歳前後の頃。周りのみんなが将来の為、自分の為に色々な事を積み重ねている間ずっと遊んでばかりいた。本当に愚かだった。
愚かな奴にも欲しいものややりたい事があってお金は必要だった。
愚かだったのでまともにアルバイトで得る時給1000円だとか日給1万円じゃわりにあわない、もっと稼ぎたいと思っていた。
当時法改正前でいわゆる出会い系サイトが乱立していて、その殆どがサクラをアルバイトとして雇ってユーザーにポイントを買わせて儲けていた。もちろん世の中にポジティブな金の稼ぎ方じゃないし、リスクもあった。だけど愚かだった私はこれなら自分でも出来るし、儲かるなと踏んだんだ。
いくつかのサイトにサクラのアルバイトとして働いて、客のデータを抜いてはやめてを繰り返して客のリストを作った。当時は一つの会社が複数のサイトを運営していることが殆どで、かつ会員も重複していた。一つのサイトに登録すると勝手に他も登録されてたり色々粗かったんだ。
で、それらのサイトからぶっこぬいた客のリストを新しくサイトを作ってシステム借りて、ぶち込んで営業を始めた。初めは自分でもサクラやりながらだったけど、当時のユーザーに間抜けが多かったせいか、すぐに事務所借りてアルバイト雇ってくらいの儲けはでた。
結局そのままサイト3つ作って名簿屋からアドレス買ったりしながら続けていた。
当時の収入は経費とかもろもろ差っ引くと月によるけど少なくとも100万を下回る事はなかった。
もちろんその時はお金を使った。欲しい物はなんでも買って、うまいもの食べたり、思い立って旅行に行ってみたり。けどな、そのくらいしか出来なかったんだ。
ビジネスを広げることもできない、何かに投資するなんて考えの埒外、金銭感覚だけが周りとずれてしまって遊ぶ仲間も減って疑心暗鬼になった。ましてやこの金の稼ぎ方だ、何かに貢献してる感覚もなければ小金を持ってるせいで妙な優しさや憐憫を身につけて罪悪感だけが増していく。
メンタルが限界になって全部辞めた。やりたいことでもなければ誰の得にもならないことを金の為だけに続けるには私は向いてなかった。
それで得た身の丈にあわない金を使う才能もなかった。
20代前半を使って得た、学んだ事はそれだけだった。
リーガルでもイリーガルでも金を稼ぐ人や、多くの金を使える人はやはり何かに選ばれてるんだと思う。
私は向いてないし、もっと収入が増えればと思いながら色々と試行錯誤してることが身の丈にあってるのかなと思う反面、妻子にはもっと楽させたいと思ったり。
未だに愚かなままで、このまま死ぬまで愚かなままなのか。