2017-03-24

ネトゲでBANのボランティアをしていた

当時、女子高生であった私は、ドフスというネトゲにそこそこの労力と小遣いを注いでいた

そこそこの熱意も持っていた私は、視界をうろちょろと走り回る業者bot殺意を抱いていた

業者の様子をスクショで撮って公式フォームから通報したり、PvPを仕掛けて殺す事もあった

中立キャラである業者を殺してカルマ値が下がり、PvP状態が解除不可になったりと難儀な目にも遭っていた

業者が減らず、人が減っていく中、ドフスはボランティア募集し始めた

イベント企画するサークル等があったが、私が目を惹かれたのは「火サークル」というボランティアだった

曰く、迷惑プレイヤーをBANするボランティアであるらしい

これならば、と私はそのサークルへの参加希望を出した

そして火サークルの一員となり、専用のアカウントキャラを与えられた。専用という事でちょっとクワクした

一見すれば「サクリエール」という通常のクラスキャラであるが、

専用であるからして、やはり通常とは違う。それは下記の通りであった

・他プレイヤーに見られないよう、常時透明化

地図ダブルクリックすれば、フィールドのどこにでも行ける

・透明化しているか意味はないが、色・性別を変えられるポーションが与えられた

・「火サークル」というギルドにあらかじめ所属している

・何より、他プレイヤー右クリックすると、「このキャラをBAN」という旨の項目がある

そんな火サークル活動内容と言えば、各地のパトロール・そしてBAN

私はすぐさま、業者跋扈するパンダワの地域へと移動した

これでようやく、あの煩わしい業者どもが消え去る……!

その希望をこめて、私は業者右クリックし、BANを押下したのだった

結果どうだったか

業者は相変わらず元気に動き回っていた

サークルのBANは、速効性のものではなかった

すぐに消え去らない業者を見て、すぐさま公式質問してみたが、

IPを頻繁に変えている相手だと、上手く効かない。その内消えるからよろしく」と説明された覚えがある

ただ、目の前でBANしたというのに、相変わらずちょこまかと敵を狩り続ける業者を見て、本当に効いているのかと疑心を抱いた

それでも数週間、私は活動した

業者特に湧く地域を中心にパトロールし、「業者いるし火サークル意味ねーじゃん」という陰口にうなずいた

だが、私以外の火サークルメンバーは、次第にログインをする事がなくなっていった

(火サークルギルドは通常のギルド機能が同じ為、他メンバーの最終ログイン日が見れてしまう)

しばらくして

周囲のログイン状況に呑まれ

ある日から、私の最終ログイン更新される事はなかった

結局は私も、火サークルとしての活動を停止した



そんな経験があった事を、ふと思い出した

「火サークル所属している事を公言しないように」と言われていたが、

そう言っていたドフスの日本支部は、今はもうどこにも無い

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