ネットの「この世界の片隅に」絶賛、感動、泣いた感想が溢れかえってる中でとても言い辛いんだけど、主人公のすずさんめっちゃエロくなかったですか?
誤解しないでほしいんだけど、このエントリはネットに溢れかえる「この世界の片隅に」絶賛感想の1つです。
それを踏まえた上でもう一度聞くけど、すずさんエロすぎないですか?
私は、「この世界の片隅に」がヒットした理由、それはこの映画に人間の全てが詰まっているからだと思っています。
愛、恋、喜怒哀楽、争い、妬み、僻み、優しさ、厳しさ、冷たさ、残酷さ、いじめ、後悔、希望、過去、未来、悪意、戦争、友情、家族愛、姉弟愛、大人、子ども、嫉妬、衣食住、絵、歌、救い、絶望、生、死・・・・・・
あげてくと切りがないんですけど、人に纏わる全てのことがこの映画には入っていると思っています。
「〜って要素ある?」って聞かれたら「あるよ」ってノータイムで即答出来るレベルで全てが描かれている。
で、ですよ。
勿論あのシーンです。夫の周作言われてすずが幼馴染の哲と一晩過ごすあのシーンですよ。
天然で能天気なすず、結婚初夜ですらおとぼけかまして色気ゼロだったすず、そのずずがあの夜だけ大人の女になるんですよ。そのギャップときたら!
繰り返しになりますが、このエントリはいかにエロかったか!を熱弁する記事ではありません。この映画にそんなエロ要素がある事実にびっくりしたんです。
「この映画には人の全てが詰まっている」と書きましたが、私はまさかエロまで入っているとは思っていなかったんです。
戦争を扱っている作品という事実、うっすらと聞く原作の評判、予告映像、あの絵柄、それらからこの映画にエロい要素があることを予想出来ましたか?
ほとんどの作品は、何かを主軸にして何かを切り捨てるんですよ。極端な例えを出すと、美少女日常系アニメが男性キャラを排除するような。
でもね、この作品は全てを描いているんです。一から十までただ描写するんじゃなくて、全ての要素をすくい取ってるんです。
だからただひたすら料理をするだけのパートもあるし、ただただ日常系アニメのような会話をするだけのパートもあるし、夫以外の男と一晩過ごすパートもある。
それでもって、「戦争」っていう作品全体を支配してしまうなテーマをただの事実として受け入れている。「戦争」もこの映画で描かれる要素の1つに過ぎないんです。
そして、その要素の1つにエロも入っている。その事実に驚いたんです。ああ、そこまで描ききるのかと。何も捨てないのかと。
映画の上映が終わった後、後ろの席の男性がこんなことを言っていました。
「これ、なんでこんなヒットしてるの?全然わからない。別に何もなかったじゃん」
すごく正しい感想だな、と。この映画には、人の全てがあります。でも、特別なことは何もないんです。ただただ、人としての当たり前があるだけなんです。