多くの会社説明会に参加する中で、どうにももやっとすることがある。
「収入、福利厚生はどうなっていますか?休みはどのくらい?なんて聞いてくる学生ばかりで、入社後の目標や成し得たい事を持っている学生が少なすぎる!」
会社説明会の中で、このような就活生の意識の低さを嘆いたコメントはよく聞いてきた。
待遇よりも、就職した後で自分がどうなりたいのかをよく考えるべき、というのは至極もっともな意見だと思う。
けれど、ここで一つ分かって欲しいことがある。
”入社後の目標や成し得たいことを持っている学生が少なすぎる?”
当たり前だ。入社後の目標や成し得たいことを持っていないのではない、先ず考えられないのだ。
社会人と、就活生では欲求のレベルに差があることを分かって欲しい。
マズローの欲求段階説を例にすると分かりやすいので、マズローの欲求段階説を参考に説明する。
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社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
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欲求の順番は非常に重要で、下にある欲求が満たされて初めて、上部の欲求に移行すると考えられている。
生きるか死ぬか、自身の身の安全が分からない状態で、まず先に誰かに認められたいと考える人は少ないだろう。
親から独立して、1人で生活していかなければならないという意味では、まず安全の欲求を満たそうと意識が向いてしまうのは、当然のことである。
企業側が、目標を持て、というのもわかる。社会的欲求、所属と愛にの欲求を満たした社会人ならば、承認や自己実現への道筋もしっかりと見え、考えられるだろう。そこで、同じビジョンを見よ、と言うのだ。
そもそも同じ土俵に立っていないのに同じビジョンが見えるだろうか、考えつくのだろうか。
下層の欲求すら満たされていないから、自己実現の欲求なんて考えられません、と言うつもりはない。
けれど、その捉え方が、道筋が、社会人の人と同じぐらい明確に見えるわけではないこと、そして明確でないからこそ、社会人の人と同じビジョンが見たくて、考えてはもがいていることを知って欲しいと思った。
もっと世の中の偉そうな顔してる大人たちのおよそ8割が使えない能無しだということを自覚してほしい