要するに、オナニーのあり方の違う。
男性向け同人誌は最悪書き手自身がシコれればあとはどうでもいい。賢者モードで爆睡しておけば満足だ。
しかし女性向け同人誌は前提として(感情としての)「共感」と(行動としての)「共有」が求められる。
女性向け同人誌という戦場には、コミュニケーションの強制がビルドインされている。
リンク先の主が回顧する「古き良き時代」のサークルのあり方についての記述を注意深く読めばそのことがわかっていただけると思う。
ただ昔は共有手段が限定されていた。腐女子同士がコミュニケーションを取れる場はマーケットしかなかった。
ところが、インターネットの普及で状況は一変する。
SNSというサービスはまさに共感エネルギーを最大限効率的に生み出すための原発のようなものだった。
ところが、核施設の運用は核燃料廃棄物を伴う。腐女子にとっての核廃棄物に当たるのが、リンク先のブログで列挙されていたコミュニケーション地獄である。
他人を褒めるために生み出されたはずのSNSの評価機能は戦場では武器となる。
インターネットの人口の増加にともない、頭のおかしい人や悪意を持った人間も増えた。
男性向け同人作家にとっては「点数=俺TUEEEの値」でしかないが、腐女子にとっては「誰かの意思表示」、つまりコミュニケーションの道具だ。
善良なもの同士であれば良い互助会の肴だが、テロリストが用いるとなると凶悪な兵器と化す。
ブログ主も、その「汚い兵器」に打ちのめされた一人なのだろう。
我々のインターネットは今や20世紀の頃とは違う戦争を戦っている。
にこやかに握手を求める手を差し出してきた人間が自爆テロ犯なのかもしれない。
もはや我々に安眠は訪れない。