彼女いない歴=年齢で、三十手前。女性と付き合ったことが無いどころか、デートもしたことなかったくらいに恋愛初心者だった。
最近、参加しているコミュニティに気になっている人がいる。いや、気になっているというレベルじゃなくて、好きすぎて頭がヘンになりそうなくらいだ。気になり始める前に、本人及び複数の関係者から、彼女には遠距離の彼氏がいるという話を聞いていた。それを知った後で好きになってしまったのでたちが悪い。出会って数カ月経った辺りで、そのコミュニティ関連のイベントに参加することになった。参加するのはうちのグループから三人で、一人は現地で合流するために、自分と彼女は二人で会場に向かうことになった。前述の通り、今までデートもしたことない自分としては、二人で新幹線に乗ってどこかに行くのが嬉しかった。イベント中はずっと楽しく過ごせた。これが好きになる最初のきっかけだったと思う。コミュニティ内の自分のグループの中では同世代は私と彼女の二人だけだったこともあって、イベント以降もよく話をするようになった。集会からの帰りも途中まで一緒に帰るようになった。この状況は半年続いた。
彼女は転勤の多い仕事をしている。近いうちにこのコミュニティを離れる可能性がある。ここで思い出されたのは、自分の以前の恋愛である。高校・大学の頃、5年間に渡って何もしない一方的な片想いをしていたことがあった。何もしなかったので、結局最後まで単なるクラスメイトだった。今回は後悔するとしても、前回とは別の後悔にしたかったので、何らかの行動を起こそう思った。その時の関係性から考えて、食事くらいは断られないだろうと思ったので誘ってみた。二十何年も生きてきて初めてだ。あっさりOKと言われて、帰りに食事して、その後近くのデパートをぶらぶらして帰った。その後は一か月に一回くらい一緒に食事をするようになって、半年ほど経って現在に至っている。このまま特に状況に変化が無ければ、近いうちに物理的に距離が離れて、そのうち自分の恋の病も治まるのだろう。
人生における2回の恋愛で、到達した地点は、デートのような何かに付き合ってもらうことくらいのことだった。誰かと恋仲になろうと思ったら、この先に一体いくつステップが存在するのだろう。そのデートのような何かに誘うことですら自分にとっては大変なことだったのに、それより上のステップはどれだけハードルが高いのだろう。それを考えると気が遠くなる。次の恋愛をするとなると、その時には三十歳を超えていると思う。そんな年でまだこんな中学生みたいなところでとどまっているのである。
彼女にとって異性の友達と食事に行くことは日常生活の一コマに過ぎないのだと思う。それですら自分は心の底から楽しく思ったというのに、彼女の恋人である人が感じる幸せというのはどのようなものなのか想像もつかない。自分の人生の中で一度でいいから、気が狂いそうなくらい好きになった人とお付き合いする幸せというのを感じてみたい。しかし、恋愛スキルの乏しい人間がそこにたどり着くには、人間の一生では短すぎるように思える。
まさかの2月号(いろいろな意味で)。 http://anond.hatelabo.jp/20160202122127 香りの記憶 香りとかメロディとか、言語化しにくい感覚と記憶が結びつくと、その記憶が掘り起こされたときよ...