はてなブックマーク - 素人さんの原稿でとりあえずチェックする漢字にしないだけで読みやすくなる単語 - Togetterまとめ
やあ、弱小専門書出版社に在籍していた増田ですよ。乗り遅れた感がすごいけど、読んだら書きたくなったので書く。
上のまとめは「素人さん」「読みやすくなる(=元々のオメーの文章読みにくいんだよ)」という表現でいらん反感を買ったと思うんだけど、たしかに適切に開く(=ひらがなにする)と見た目にメリハリがついて、頭に入りやすくなる効果はあるなーという実感は持っております。
自分が使っていた一般ルールは以下のような感じ。記者ハンドブックは持っていなかった。口伝。文法用語を間違ってたらごめんネ。
「(~して)あげる」「(~して)ほしい」「(~し)だす」「(~し)すぎる」etc.
「~にすぎない」「~における」「~によって」etc.
「また」「したがって」「すなわち」「もしくは」etc.
「ひとつ」とか「ひとり」とか。算用数字にするか漢数字にするか、それともひらがなにするかというのが毎回悩ましかった。
基本的には縦組みなら漢数字、横組みが算用数字にして、とくに意味合いの強そうな表現(「一人ひとり」とか)だけ開いてお茶を濁していた。
「かえって読みにくい」とか好みの分かれるところなので、著者とも要相談。
これは絶対。だからテキストを一括置換してハイおしまい、っていうのは危険で、目でもチェックする。
以上をふまえて例をあげますと、
という文は
となるわけです(あ、書き忘れたが「有る/在る」「無い」もだいたい開いてた)。
在職時に扱っていた『ある専門分野の書籍では』だいたいこれでやっていました。ガチガチの専門用語が頻出する原稿も少なくなかったので、多少なりとも見た目をやわらかくしたいという意図もあり、自分はかなり開く方だった。で、カギカッコをつけたように、これはあくまである1分野の話で、ジャンルや対象読者によってまったく変わってくると思います。たとえば、小説やエッセイだと書き味というか、文の手触りみたいなものも重要でしょうから、こういう機械的な方法はそぐわないでしょうね。
ブコメで書いてる人もいましたが、基本的には「1冊の中で統一がとれていればOK」だと思っています。あとは読者対象をふまえて著者と相談。ここまで書いておいてなんですが、結局ケースバイケースなんですよね。1冊1冊で変わってくるので。