要するに、スポンサーから「物件を管理して」と丸投げされたものを整備したり家賃を回収したりしてるわけだ。
必然的に、家賃滞納者への対応がシゴトの大半を占める。(あとは占有者の追い出しとかもある)まぁ、滞納家賃を自力で回収できるならだれも俺を雇わんわけでな。
家賃滞納をどうにかするためには通常、弁護士を通して裁判をやって強制執行をかける流れがメインなわけだが。
実際問題、これがモノスゴくカネを食う。強制執行まで含めると数十万円は軽く飛ぶ。
だから、途中で和解して「家賃は要らないから…せめて出て行って…」みたいなオチになるわけだ。
正直言って滞納金額30万とかその辺なら、大家としてはこういった手続きをやるよりは一円ももらえなくても追い出す方が安いわけで。
そういうわけで、俺のような商売が成り立つ。まぁ、俺は最近管理屋さんにクラスチェンジしたけど。元は裏稼業の回収屋さんだ。
で。俺の話はこれくらいにして本題に入ると。
まぁ、家賃を滞納したクズを追い込んでいると、やっぱり高齢者ってのは多いわけだ。
そういうわけで、「回収屋」って聞くとウシジマ君みたいな世界を想像する人が多いと思うが、
実際には行政書…まぁいいや。あんまりこの辺書くと問題になりそうだし。要するに、貧困者で高齢者の合わせ技ってのは自治体を頼ればそれなりのカネが出る。
そのカネを使ってなんとかオーナーの物件からそのアホを追い出したりしちゃうんだ。
そのパターンでよく使う制度が「年金担保融資」である。これが、もうアホほどザルな融資で
厚生年金で月収8万円のジジイ相手に50万とか普通に貸してくれてしまう。
だから、俺はとりあえずこの制度を使わせて問題になっている滞納分を一括返済させ、そののち生活困窮者用の制度
生活保護に加えて家賃補助などを活用して、クズを追い出すわけだ。(簡単そうに思えるだろうが、意外とコツがいる)
しかし、この「年金担保融資」だが。この制度使って、年金を担保にカネを借りてる人は制度の上では
「生活保護はダメよ」ということになっている。実際、窓口の人も一度は「あー、こりゃダメだ」という。
当たり前だ。年金担保融資で借りまくってから生活保護を受ければ年金の二重取りになってしまう。規制されて当然だ。
だが、究極的には受けられなかったことがない。これは、生存権が最優先されるってことなんだろうが、非常にモニョっとする。
というのも、生活保護を受けるハメになる奴ってのはおおよそクズなので
「ジジイ、年金担保融資でカネ引っ張ってから生活保護な」というと、「すでに満額借りてるでおじゃる」ってのがそれなりにいる。
こうなると、もはや力技しかないので市役所まで引きずっていって交渉するんだが、まぁ実際通るんだこれが。
「生活を守る会」なんかを活用したりの小技もあるが、まぁ通っちゃうんだよ。
つーわけで、生活保護の不正受給も問題だが、「年金担保融資」を先にぶっ叩くことも忘れないでほしいんだ。
最近の生活保護問題ラッシュで、この話が一度も出てこなかったのでちょっと書いておいた。俺がここで書いても何も変わらないだろうが。
俺としても、仕事は仕事で滞納家賃は回収しなきゃならんからこの制度はよく使うが、これと生活保護が余裕で両立しちゃう行政の仕組みはホントどうかと思う。
なお、「ゴネて脅してとにかくカネを取ろうとする人間」の立場からケースワーカーを弁護させてもらうが。
彼らは恫喝には屈しないよ。基本、制度の外枠から外れることは絶対しないし出来ない。それが出来たら俺はもっと楽な仕事してる。
つーか、今の若手のCWはエラい。俺ならあんな仕事やりたくない。クソみたいな安月給で仕事をする彼らには、敬意を表している。
あんな不自由な現場で俺は死んでも働きたくない。「給付を決めるのも人間」ってこたーないぞ。書類が満たされてなきゃ、彼らは絶対カネ出さん。
逆に言えば、キッチリ書類作れば出るんですけどね。