2011-07-06

今回の震災で親戚を亡くした。

はいっても遠い親戚。

そのことに関して涙を流すようなことは結局無かった。

それでも何も無くなった土地を見たときは足が震えた。


あれからずっと胸の中でつっかえてることがあって、でも上手く口にできないことがある。

それはもうあれ以来ずっと増田でもどこでも散々言われてることなんだけど、この今の日本に漂う空を切る感じ。

みんな復興頑張ろうって言ってる。頑張れって言ってる。

当事者じゃない第三者もみんな口を揃えて頑張ろう頑張れって言ってて、その為に何ができるのか考えてる。

偽善でも愛でも義務でもいいんだけど、そうやって日本を一つにまとめようとするムーブメントを起こそうとしてる。

広告会社TVネットも、それぞれの価値観で風化させないように頑張ってくれてる。

ホントに素晴らしいことだと思うのだけれど、でもそこには何か血が通ってない感じがする。

なぜかどうしても心をうたれない。


私が今回の震災で一番心を打たれたメッセージCMでもキャッチコピーでもデモでもツイートでもない。

あの時、何も無くなった大地に転がった、辛うじて原型を留めているような車のボンネットに真っ赤なスプレーで書かれたメッセージ

「あけない夜はない」

こんなクサくて、ありふれてて、使い回された言葉を見たときに脳天からつま先までしびれて、その後しばらく呆然としてた。

気が付いたら私は泣いていた。


私はあれからずっと、ヒーローを待っている。

それは、どこかの社長でも、政治家の誰かでもなく、芸能人でもない。

ムーブメントは必ず、きっと必ずそのきっかけの中心から起こるはずなんだ。

どんなに周りが大きな風を送っても、中心が凪いでいれば、それは人の心を動かすような大きなムーブメントにはならないのではないかと思う。

あの地震の震源地に一番近い場所で、私はヒーローが産まれるのを待っている。

もう一度、今度はその声で、ものすごい震度日本中の心を震えさせるのを待っている。

芸術家でもいい、バンドでもいい、漫画家でもスポーツ選手でもいい。

私はそういう人が声をあげるのを待っている。


下世話な話だが、そこからは新しいビジネスが生まれたりもするのだろう。

しかしたらもう構想はあるのかもしれない。

被災地が生んだ天才ピアニスト」みたいなことがきっと起こるだろう。

こぞってメディアはとりあげるのだろう。

○○を経験した△△なんてありがちな手法だ。

すでに被災したお笑いコンビを周りがそうやって持ち上げようとしてるのを見かけたりもする。

それでも私はかまわない。

私はあの日、あの場所で見た、あのメッセージのように、その生の声が聞きたい。

そこに生きてる人間の力を感じたい。


いや、それ以外は見たくないのだろう。

私に関して言うなら、きっとそうだ。

それは自分もその血の通わない声と一緒だと思われてしまいそうだからだと思う。

そういうつまらないことを恐れているつまらない人間だ。

自分で考えて動くよりも、自分誰かのために何ができるか考えるよりも、ヒーローに喝采を送るほうがよっぽど楽だからだ。

私もウルトラマン拍手を送る小市民でいたいのだ。

戦闘機を飛ばして意味もない弾をばらまく存在になりたくないだけなんだ。


から広告代理店CM制作会社はつまんないキャッチコピーCM作るヒマがあったら

もっともっと現場の声を伝えてください。

それが、そういうことがあなたたちの仕事でしょう?

AKBプロデュースする暇があったら、もっとプロデュースする対象があるでしょう?

本物のヒーローを私に見せてください。

貴方たちが机の上でコーヒー飲みながら肩肘ついて搾り出したキャッチコピーなんてなんにも響かないんです

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  • 「がんばろう日本」なんて何の中身もない。 企業に何かを求めるなら、見返りを用意しなければいけないのは今の日本では当たり前。 救いを求めるなら、笑顔を見返りとした個人からの...

  • 待っていても何も変わらない。 自分が動かなきゃ。 私は私にできることをする。

  • だから広告代理店やCM制作会社はつまんないキャッチコピーやCM作るヒマがあったら もっともっと現場の声を伝えてください。 それが、そういうことがあなたたちの仕事でしょう?...

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