2023-07-03

水星魔女魔女とは誰の事だったのか。

いやーー、最終回を経て、遂にはっきりしましたね、

機動戦士ガンダム 水星魔女』というアニメにおける魔女とは一体、誰の事だったのか。

答えは「知恵ある女性」だよ。

このアニメキャラクターデザインを行った女性スタッフ作品最終回に際して残した、制作体制問題点に対する告発とも取れるツイートに対し、

最終回の感動に水を差すなと言ってリプや引用で口汚く罵るファンの数々を見てはっきりと分かった。

作品それ自体を見ただけでは分からず、スタッフツイートという外部的な事情を見て初めて見えてくる真実という構造が、実に現代的だと思うよ!

今では割と定説になっているけれど、中世ヨーロッパにおいて魔女と呼ばれて迫害された女性の多くは、産婆や薬師等の知恵ある女性だったという。

パク……オマージュ元になったアニメ少女革命ウテナ』でも、ヒロインである姫宮アンシーは

王子様として求められ疲弊していた兄を休ませようとしたがために世界に呪われ、魔女と呼ばれるようになった。

魔女」とは要は、既存男性中心社会から見て気に食わない女に対するレッテルである

制作体制問題点示唆したツイートをしたキャラクターデザイン氏を、吊し上げて叩き潰そうとする百合信者達。

ガンダムTVシリーズ初の女性主人公作品ファンになり、男女カップリング二次創作やグッズ売上に貢献した女性ファンの嘆きに対し、

マカBBA子供部屋おばさんだと中傷する男達。

構造がまさに魔女裁判のそれなんだ。

知恵を持つ女性自分の頭で考え男の思い通りにならない女性存在が許せず、誹謗中傷暴力でもって排除しようとしているんだ。

キャラデザ氏に対する、「女のくせに」「これだから女は」という声の多さが、

表面上は百合結婚エンドで終わったこアニメ本質女性に対する応援歌などでは決してない事を端的に表している。

しかし、もしかしたら『水星魔女』におけるこうした構造提示は、当初は作品内だけで完結する予定だったのかもしれない。

水星魔女』の中でも、ヴァナディース機関研究者の多くは女性であり、トップのカルド博士ワンピースのような服装古典的なお伽噺の魔女を思わせる。

そのヴァナディース機関デリング・レンブラン率いる男性勢力によって虐殺される様子は

知識と知恵のある女性に対する魔女狩りを示しているのが分かりやすい。

主人公スレッタは魔女の娘であり、母親復讐の道具として何も知らない無垢状態で始まった。

彼女はおそらくは、様々な人々との出会いと別れを通して母親真意世界残酷さを知った上でなお、

『祝福』の歌詞に乗せ、定められた役割を越えて新時代魔女として世界真実を発信し、ヴァナディース機関復権を行う予定だったのではないだろうか。

そして最終的に全部取りした完全無欠で無敵の究極ヒロインであるミオリネ・レンブラン様は、当初の設定では学生ではなく、敵ボス愛人であったという。

愛人……自らの性的魅力を利用して男に取り入り、贅沢とかりそめの安寧を享受する女性、「魔女」とは対極に位置する女性

そんな敵ボス愛人ミオリネは、主人公スレッタと関わり変わっていく予定だったのか、それとも変わらないまま落ちていく予定だったのかは分からない。

結果的には、愛人から娘への名称変更こそあったものの、最終的なミオリネの役割は何処までも徹頭徹尾デリングを肯定する役どころであり、

その庇護下を一歩も出る事なく

形だけ女性起業家の外面を備えて終わった。

魔女は殺された。復権はなされない。その屍の上で、百合豚達がハッピーエンドだと喜ぶ。

いやーー、作品の外にまで視界を広げさえすれば、実に面白いエンタメ性に溢れたアニメだったと思うよ!

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