2019-04-07

前職を退職した理由

5年間勤めた前職を退職したのは自分にとってはどうしようもなかったからだ。

元々アフィリエイトの軍資金を稼ぐためだけに「半年くらい入れればいいや」と思って入った会社だったが

そこの創業者社長面白い人だったのでついつい長くいてしまった。

こんな伝説がある。

まだ創業して間もない頃、ある営業お客様を怒らせてしまたことがある。

お客様電話越しに「お前じゃ話にならん!社長をだせ!」と息を巻いたそうだ。

そこで素直に社長電話を取り次いだのだが、しばらくしたら「最初のやつに戻してくれ」と言われて結局最初営業対応したという。

まり社長が一番話が分かってないと。

年齢は若く、右翼的思想の持ち主で、他の従業員には恐れらていた社長だったが、どこか愛嬌というかいい加減なところがあり

失敗しない人間より失敗する人間評価する気質があったせいか居心地がよく、また会社も順調に成長していった。

しかしその社長自分就業してから3年ほどで退任した。

退任の理由はいろいろと聞かされたが簡単にいうと「飽きた」というのが本音なのだと思う。

どこのベンチャー企業もそうだが、会社が成長するというのは一方的にいいことばかりではない。

顧客従業員が増えれば厳密な資産運用事業計画必要になるし、そのためにはより優秀な従業員をいれなくてはいけない。

しか創業メンバーの全てが組織の巨大化に耐えられるわけは決してない。

20人規模の会社エースが必ずしも100人従業員を抱える会社取締役として勤まるとは限らない。

そういう厳しさへの自覚社長自身にもあったのかも知れない。

またオーナー社長独特の孤独さがそれに拍車をかけたのかも知れない。

結局会社類似事業を展開する大手企業に全株売却による子会社化という形になった。社長は即退任したかったようだが

1年はいてくれと言われ、結果形だけ在籍してるが実際はほとんど会社にこなくなった。

その後社長職はNo2役員が昇格する形で引き継がれたが、オーナーだった前社長とは違い100%子会社サラリーマン社長である

社長と比べればどうしても影響力に差は出てしまう。

その後2年ほど在籍したが、やはり前社長に対する面白さで続けていた身としては「大手子会社従業員」に変わることができなかった。

手続きが多くなり、前社長のようなリーダーシップが発揮される場面も少なくなり、安定の代わりに面白みがなくなってしまった。

また全株式売却以前からいた従業員に比べ、それ以降に入った従業員良かれ悪しかれ「良い子」であり、そういう意味でも

世代交代空気を感じてしまい、それが退職きっかけとなった。

社長は育てた会社を売却してお金自由を手に入れ。その怖い前社長必死についていった幹部たちは大手グループ幹部社員という肩書を手に入れ、

食い詰め浪人のような古参社員たちも収益経営基盤の安定を手に入れ、新世代の従業員たちは大手グループ企業従業員として相応しいキャリア学歴もつ若手社員たちだ。

この会社という「物語」はハッピーエンドを迎えたのだ。

そういうのに耐えられなかった。何の目的があるでもないが「良い子」として振る舞うことができなかった。

水清ければ魚住まずではないが、会社創業期や発展期の勢いを楽しんでしまうと安定期というのはどこか白々しく「劇の終わり」を感じざるを得なかった。

自分にとって安定というは、想像以上に重く不自由だった。

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