2017-12-02

マーケティング手段に成り下がったインターネット世界について思うこと

インターネットと共に育ってきた世代としては、ここ5年くらいでインターネット世界面白さがどんどん減っていることを非常に残念に思っている。

その理由は明白で、インターネット世界マーケティング手段に成り下がってしまたからだ。

15年くらい前に、侍魂というサイトがあった。

ただのテキストが書いてあるだけのサイトなのに、毎日毎日見に行っていた。

当時はサイト更新されたことを知るための仕掛けがなかったので、「巡回サイト」なるお気に入りフォルダを作って、そこを毎日毎日見ていた。

受動的に見に行っていたのではなく、能動的に見に行っていた。

多分多くの人も同じように、サイト巡回する時間というもの能動的に作って、サイトを見にいっていたと思う。

やがてRSSリーダーたるもの一般化したり、まとめサイト一般化したり、キュレーションメディアというもの一般化していった。

多分この流れは必然で、全くもって悪いものではない。

はいえ、インターネットに対する能動性というものを、これらが徐々に奪っていった。

自分たち巡回しなくても、そこを見に行けば何かがあるという世界私たちは染まっていった。

この話は、人生効率化できたと考えれば悪くない。

問題なのはサイトを作る側の変化だ。

15年前、どれほどの人が自分サイトお金儲けを考えていただろうか。

訪問者が増えることは嬉しかったが、お金儲けなど考えていた人はごく少数だったように思える。

まあもちろん、ダイヤルQ2全盛期だったり、エロサイトは相変わらずな感じだったけど、それ以外の一般サイトは、お金儲けよりも自分たちの楽しさを優先していた世界だったように思う。少なくとも、現在でいうブロガーのような形で、生活手段としてサイト情報を発信するという人はほぼいなかったように思える。アフィリエイト自体は当時もあったし、アフィサイトもあるにはあったが、多勢はアンチアフィだったし、そんなことよりお面白さを求めていたと、懐古厨は思うのであった。

で、現在はどうかといえば、お金儲けのためにブログを始める人が増えたり、お金儲けのためにフォロワーを増やす活動をする人が増えたりと、15年前と手段目的が入れ替わってしまっているように思える。ブログを書いているだけだったり、YouTube動画をアップしているだけで生活ができるという世界は、悪いものではないと思う。とはいえ、お金儲けのためだけの記事動画に囲まれ生活は、正直全く面白くない。運営側面白さや、それを見る人の楽しさだけを考えていた時代の方が、コンテンツの内容は面白かった。

テレビはまさに同じ道を辿ったメディアだと思っていて、ますマーケティング手段として認知されるまでとされた後では、コンテンツクオリティが全く異なっている。NHKはその競争から離脱しているから、諸々の異論はあれど、ある意味クオリティの高い映像提供し続けている。生命とか映像の世紀とか、あれ系の映像を他のテレビ局が作りきれるとは到底思えない。

歴史鑑みるに、同じような成長を辿ったものは衰退していく。

どの業種業態であっても、マーケティング手段に成り下がった瞬間から衰退が始まる。

その理由は上述のような、手段目的の転換であり、本質的面白さが薄れていってしまうからだ。

インターネット世界は、この流れを止めることはできず、これまでにない速さで陳腐化してしまうのだろう。

インフルエンサーYouTuberブロガー、これらが悪いわけではなく、自然の流れだとはいえども、もうちょっと面白い世界のままでいてほしかった。

能動的にサイト巡回する能力を失った私たちに待っているのは、お金儲けのためだけに書かれた記事を、お金儲けのためだけにキュレーションして、お金儲けのためだけにPush通知を打ちまくるよくわからないサイトアプリなのだろう。まったくもって、つまら世界になってしまった。

  • ネットが金儲けと結びついてつまらなくなったというのは理解できるんだけど 面白かった頃の引き合いに出されるのがいつも侍魂とかああいうクソ寒いサイトなのがよくわからない 正直...

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