貧乳なのはただの事実である。カップサイズが物語っている。そんなことはどうでもいい。『だから』『似合うドレスがなかなかない』と言っている。
お前が乳にコンプレックスを持っていて「大丈夫だよ」と言われたいなら言ってやる、別にそれはいい。だが今は私の話だ。
貧乳という事実を「そんなことないよ」と否定して、で?どうするんだ。そこ否定したら似合うドレスが増えるのか。
違うだろ。
世のパーティドレスのほとんどは胸があった方が綺麗に見える。女性らしい膨らみを計算に入れて設計されている。
そんなのただの事実だ。いいと思う。私自身ドレスとはそういうものであるべきだと思っている。そこに憎いとか悔しいとかそういう感情はない。訂正、やや寂しい気持ちはあるものの。
私の胸が単純に既製品向けのサイズではないという、ただそれだけの事実を『述べている』。否定も肯定も求めていない。
確かに既製品では合わないというのはマイノリティである証拠であり逸脱した個性だ。特に劣化方向に逸脱したものは哀みが湧いてくるのも分からなくはない。
だが別に着られるものが皆無な訳ではない。この世で最も全ての人間に優しくあろうとするのがアパレル業界だと思う。ある基準以下の人間は裸でよろしいなどと切り捨てたりはしない。大変ありがたい。
だからどんな体型でも探せばある。ただ、少ない。
その事実をもってして、『購入を検討できるものが少ない』から『探すのが大変』であり、ギリギリでは間に合わないだろうから『前々から探してる』のである。そういう話をしてる。それに「大変だね」と共感してくれのであれば嬉しく、であるからこそその予定をあまり奪わないで欲しいと思う。
別に貧乳に限らず、フリーサイズではうまく収まらない体の部位を持つ全ての人々(無論巨乳を含む)が同じような事態に直面し、それぞれに対応しているだろう。根は同じである。
私個人は服屋へ赴く度に己の貧乳に向き合い悩むなど時間の無駄の極地であると思っているので、前提条件として受け入れておかないと話が始まらない。特に哀れまれるような悲しみを与えられた記憶もないのに、何故こうも尽く貧乳であることを哀れまれねばならないのか、憤懣やるかたない。
貧乳の話に関わらず、本人が気にしてないことを相手がコンプレックス扱いしてやるのは親切なのかどうなのか。大きなお世話じゃないのか。
一応善意は受け止めて「ありがとう」と言っておくけれど。思ってもないこと言うお前のストレスってどれくらい?win-winに対するlose-loseみたいな単語を心の底から掲げたくて仕方ない。
しかしこれ、私が言えば『ドレスが見つからないことに対する不満』100%だけど、普通サイズの胸の人が言ったら『優越感くすぐれ要望』(別名:謙遜)の場合もあって見分けつかないんだろうな。
というか多分事実を述べるような人より謙遜する人の方が多いんだろう。特にこういう反応返す人は。
でも、でもだ。割合の話ではなく、私を見て欲しい。よく見て欲しい。謙遜で済む話ではないだろう。否定してどうなる。何度でも言う。否定してどうなるって言うんだ。現実の話をさせろ。
そういう、謙遜に対して否定という形で優越感をくすぐってやるテンプレのせいですぐ「そんなことないよ」と言われてしまうのにイライラする。
そもそもへりくだった状態ではないし、話の腰を折られた意味も理解できない。
仮に説明しようとしたとしても途中経過で毎度「そんなことないよ」と言われるのだろうし(貧乳向けのドレスが少ないことに対して「そんなことないよ」と言うなら首都圏のドレスの入荷点数カップ別のデータ提示して欲しい、もしくは店舗教えろ)、そう想像すると更に苛立ちが増す。そんな非生産的なやり取りに時間や気力を割く未来を可能な限り避けたいのでやはり説明などという手段は選ばず、
「んーでも私が嫌なんだ」
という主観100%の感情論で終了させる事にしているんだけど。
毎度それだとそれはそれで向こうは相手にされてない感じがして嫌だろうなと思いはする。私に話す意味あるの?みたいな。
まぁ……ないといえばない、かな……。あえて言えば気持ちよく会話がしたい。
異議あり!まな板レーズンは芸術である!