2014-04-29

私自身を他人の立場から見たとき、こいつを彼女にすんのはねえわ

って思う。

他の人がどうかは知らないが私は色恋沙汰は基本受け身だ。上述の通り私を彼女にとか絶対ないと思ってるから自分から異性に対してそういう方向に持って行きたいと思わない。

中学ネクラオタクだ不細工グループだと言われ、高校理系に進み、いわゆるオタクが多いクラスだったこともあって、クラス男子たちのほとんどが二次元彼女を愛でていた。当然三次元に目など向くはずもない。

そんな中でも私に告白してきた男子がいた。たまたま席が隣だったときによく喋るようになった男子だった。驚くことにマイナーバンドの好みが一致して、そこから一気に仲良くなった。どちらかというとさぼりがちな人だったから、私とはちがう世界にいるようで話していて新鮮で楽しかった。付き合ってくれ、と言われたとき、さんざんいや君もっといい子いるって、そもそも彼女いるんじゃないの?罰ゲームかなんかじゃないの?と回避しようとしたが敵わず私が折れたんだった。

今思うと彼は若干メンヘラというか、ヤンデレの気があった。ずっと一緒にいてね、だとか嫌いにならないでね、だとかもうほんと嫌われたら死んじゃうとかいう文字は何度も見たし、他の友達としゃべっている時にちょっとムスッとしてたぞあいつとその友達から言われたりということがわりとあった。かわいいもんだと思っていた。

ところが、彼には学外に付き合って2年になる彼女がいた。彼女がいるのに、私に告白して、了承を迫っていた。たまたま数年放置していた某SNSを覗いたとき友達が彼のページにあるプリクラコメントをしていたのだ。興味本位で開くべきではなかったが、ばっちり見てしまった。地味な私とはちがう、可愛い服を着て、きれいに化粧をして、きっと化粧をしなくてもかわいいことが分かる顔立ちの彼女ふたりで撮られたプリクラを。ご丁寧に年数まで書いてあった。私の様々な初めてが消えたそれはここで終わった。

最初はなんで、と思った。私のこと好きだって言ってくれたんじゃなかった?ちがった?と悶々としてた。しかし落ち着いてくるとともにあの彼女さんがこれを知ったら、という方向に考えるようになった。

こんな根暗彼氏自分の手の届かない付き合ってると知ったら?付き合って2年記念と言って笑ってプリクラを撮って、食事をして、そういうホテルに泊まって、その翌日に全然知らない子に好きだのなんだの曰っていると知った時の彼女の気持ちは?

しばらくは様子見でなにも言わなかった。私にも多少の優しさのようなものがあったから、向こうから言ってくれるならあるいは、と勝手希望を持った。しかし彼はなにも言わなかった。いつもどおり学校で、いつもどおりに話しかけてきた。いつもどおりにメールをしてきた。私の些細で勝手希望は呆気無く打ち砕かれたのだった。家に帰ってからなにも考えずにメールを打ったことを今でも覚えている。

あのさあ、なにがしたいの?

これで素直に認めてくれるなら、とまた勝手な期待をした。本当は私が2番めであると。メールで散々打ってきた言葉は嘘だと。実はよそに好きな人がいたんだと。それでもやっぱり、返ってきたのは私の期待を砕くものだった。

なにがしたいのって、え、どしたの。なんかあった?

それを見て一気に冷めた。ああ、嘘はばれないと思ってるわけ。あんなわかりやすいところにあんなわかりやすものを置いてなお、私が気づいていないと思っていると。程なくして彼から大丈夫、なんかあったのと電話がかかってきた。おまえ、この期に及んでそんなこと言えんのかよ。思わず笑ってまどろっこしいな、2周年おめでとうと言ってしまった。もう少しオブラートに包むつもりだったのに。

彼はえ、あ、みたいなことを言っていた気がする。とりあえず私が思っていたことを全て話した。あのさあ嘘つくならもうちょっとマシな嘘つきなよ。てかばれない嘘にしろって。こういうことになるからさ。彼女さんの事考えたことあんの?あんたのこと好きだって言ってくれてんでしょうよ、だったらこんなの見てないでちゃんとそっち向いててあげろっつうの。

彼が途中から泣いていたのも覚えている。泣きながらごめんね、と言われた。ああやっぱいちばん彼女なわけねと思ったが不思議と私は泣かなかった。涙が出る気配もなかった。とりあえず学校で気まずくならなければなんでもいいやと思ってその電話を済ませ、翌朝を迎えた。

結局その彼は半年後、また私に声をかけてくるようになる。もう彼女と別れるから、次こそ付き合ってくれないか、と。寝言は寝てから言え、と返した気がするが彼は引かなかった。じゃあ今回限りね、と言って4ヶ月後くらいにokを出した覚えがある。なんだかんだ、話の合う彼と話すのは楽しかったし、まあいいや、と思っていたのだ。

結局それも長くは続かなかった。別々の大学に入って1ヶ月ほどで彼からメールが来た。ごめん、やっぱ離れてるの耐えられない。俺は元に戻ります、君もいい人を見つけてくださいと。それを見てまた笑ってしまった。ああやっぱ恋愛ってこんなもんなのか、あっけないなあと思って、でも大学に入るまでの間に話したことを思い出して寂しくなって、なんであんなわかりやす言葉信じたんだろうと後悔して、翌朝を迎えた。

そんなこんなで一度の恋愛で振る側、振られる側の両方を体験するという衝撃の初彼氏を終えたおかげで、恋愛に対してよくわからない感情を抱くようになった。


今は大学に入ってからできた彼氏がいる。彼もまたたまたま喋る仲で告白してきた人だった。よそに彼女はいないようだが。完全に趣味が一致してるわけでもないし、音楽の好みがばっちりなわけでもないけれど、なんとなく居心地が良くて今も付き合っている。たぶん4年目くらいだと思う。

でも、ふと考える。この人もたぶん私のことを置いて他の彼女と付き合うんじゃないかな、とか。少し話が合わなくて膠着状態になった時はああきっとこういうときに折れてくれる子が可愛いなろうな、とか。アウトドアスポーツに誘われて断った時に嫌な顔をされた時はきっとこういう時に喜んでついていくような彼女がいいんだろうな、とか。

正直、今の彼氏浮気なり何なりして新しい彼女を作ったり、好きな子ができたから別れてくれと言われても、また前のように笑ってしまうと思う。ああそう、今までおつかれさん、って言う。未練もクソもない。たぶん、こういうふうに恋愛として他人と付き合うことがとことんダメなんだと思う。就職してから学生恋愛が続くとは思っていない。それまで私はこの関係をずるずる続けるのだろうか。そういうことしている私がいちばんたちが悪いということになるんだろうか。世の中の人って、どうやって恋愛してるんだろ。私には少し難しすぎる。

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