はてなキーワード: デニス・ホッパーとは
デニス・ホッパー監督『イージー・ライダー』(1969年)を観た。
率直に言って、感動した。そして、不覚にも今の自分と重ね合わせてしまった。
『イージー・ライダー』のあらすじを簡単に説明しておこう。麻薬の密輸入で大金を手にしたワイアットとビリーは謝肉祭が開催されるニューオリンズに向けて旅をする。途中、田舎のカトリック家庭やヒッピーのコミューンに立ち寄りながら、バイクを目的地へと走らせる。また、祭りのパレードに無許可で参加したことで留置所に入れられるが、そこで酔いどれの弁護士ハンセンと出会い、行動を共にする。三人は再びニューオリンズに向かうが、そこに待ち受けたのは「自由」の国アメリカの非情な現実であった。
今日の20代の若者がこう言うと古臭いと思われるかもしれないが、私は劇中で描かれた自由と自負に憧れを覚えた。
若さたるもの、アメリカの大地のように、ここまで自由に、あっけらかんで無鉄砲であるのだと教えられた気がした。
しかし、それは主人公たちが暴力的なまでにも迫害される描写で、現実を突きつけられる。
ワイアットが終盤に、「自由の身だ」というビリーに対して、「ダメだよ」という場面がその心象をあらわしているだろう。
私は今まで真面目に励んできたが、周囲の期待から苦しくなった。
今でこそ諦めからかその憂慮は落ち着いてきている。
だが、諦めて自由気ままに暮らしてきたものの、真面目にやってきたところから自分が堕落している感覚も否めずにいる。
現代社会において、自由にふるまえばふるまうほど、その人は凋落する。
『イージー・ライダー』はカウンター・カルチャーに即応している点、その当時の感覚を鮮明に映し出していると思う。
その感覚は令和になった今日でも息づいていると、ぼんやり思う。
Netflixで観れるので、気になったら観て欲しい。今でも憧れを持たせてくれる名作だと思う。
「自由な奴を見るのは怖いのさ。」