2024-02-19

引越したらホームシックに罹った

仕事の都合で某県某市に引越してはや数日、しっかりとホームシックに罹った。

これまでに住んだことがあるのは以下の3つの街。

関東某市

関東政令指定都市

・某海道某幌市

これまでに住んだ3つの街はどこも住みよい街だった。

関東某市は海あり山あり田園あり、駅前商店街には今なお活気の衰えない老舗の店々が軒を連ね、図書館博物館美術館なんかの施設も充実していた。公共交通機関も発達しており、非常にバランスの取れた街であったと思う。

政令指定都市東京へのアクセスのしやすさは言わずもがな、街自体の魅力も十二分だった。電車で数駅とかから商業施設の集まる街に行けるくせに、自宅近くの小高い丘に登れば、木立の向こう側に素晴らしい夕陽を眺めることができた。

某幌市についての説明不要だろう。東京から距離こそあれ、大抵のものこの街で揃う。米津玄師ツアーだって来るし、ジャンプショップだってパルコにできた。新幹線はまあ…待ってればそのうち来るだろう。何より雪と氷がとにかく美しいのだ、あの街は。

話を戻そう。

現在の街に引越してきてまだ数日だが、街の雰囲気がどうも肌に合わない。なんと言おうか、人の気配というか、文化香りが極端に薄いのだ。

戦後人口爆発に伴って山を切り開いて開発したような、歴史の浅い街だ。人口はそれなりにいるはずなのに、公共交通機関が驚くほど発達していない。卵が先か鶏が先か分からないが、人々はみな車で移動し、道路の車線数ばかりが多い。

別に、車で移動することは構わないのだ。

何が肌に合わないかと言えば、車通りはめちゃくちゃに多いのに、それなのに、生きている人間の気配があまりにも薄いことなのだ。

延々と真っ直ぐに伸びる道路。道の脇には街路樹ひとつもなく、チェーンの飲食店やら、だだっ広い敷地カーディーラーやら、巨大な平屋建てのドン・キホーテだのが間隔を空けて立ち並ぶ。そして店舗店舗の隙間を埋めるような、手入れのされていない灰色土地

どこまで行っても誰も歩いていない。かたや、意思があるのかどうかも分からない自動車たちが片側2車線の道路をかっ飛ばしていく。どこまで行っても同じ景色。気が狂いそうだ。

先の記述を見てもらえば分かると思うが、自分は人が紡いできた文化だとか、人の手の入っていない(あるいはほどほどにきちんと手入れされた)花鳥風月だとか、そういうものが好きなのだ

引越してきたこ土地にはそれがない。あるのかもしれないが、自分嗅覚では知覚しきれない。

ああ、帰りたい。

どこに帰ろうか。某幌のスープカレーが食べたいなあ。

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